(読み)カ

デジタル大辞泉 「箇」の意味・読み・例文・類語

か【箇】[漢字項目]

常用漢字] [音](呉)(漢) コ(唐)
〈カ〉個別のものを数える語。「箇所箇条三箇日さんがにち
〈コ〉
に同じ。「一箇
物や場所を指す語。これ。この。「箇中/好箇・真箇
[補説]古くは「竹」の半分をとって「」と書き、物を数える語に用い、後に形声文字の「」に変えた。
[名のり]かず・とも

ち【箇/個】

[接尾]助数詞。数を数えるのに用いる。
嬢子をとめのい隠る岡を金鉏かなすき五百いほ―もがも鉏きばぬるもの」〈・下・歌謡
[補説]連濁により「ぢ」となることがある。→じ(箇)

つ【箇/個】

[接尾]数詞和語の数詞に付いて、物の数年齢などを数えるのに用いる。「ひと―、ふた―」「五―の誕生日
[補説]一(ひと)から九(ここの)までの数に付くほか古語では百(もも)や五百(いお)に付いた例がみられる。
白玉の五百つ集ひを解きも見ず」〈・二〇一二〉

か【箇/個/×个】

[接尾]助数詞。数を表す漢語に付いてものを数えるのに用いる。「三―月」「五―条」「数―所」
[補説]「箇」の略体「个」を「ケ」と略したところから、「三ヶ月」のようにも書く。この「ケ(ヶ)」は、「介」から出たかたかなの「ケ」と同形になっているが、起源は異なる。

じ〔ぢ〕【箇】

[接尾]《古くは「ち」か》助数詞。数詞に添えて、ものを数えるときに用いる。→ち(箇)
「ななそ―、やそ―は海にあるものなりけり」〈土佐

ぢ【箇/個】

[接尾]じ(箇)

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「箇」の意味・読み・例文・類語

つ【箇・個】

  1. 〘 接尾語 〙 和語の数詞について、物を数えるのに用いる。一(ひと)から九(ここの)までと、百(もも)、五百(いお)に付いた例があり、それらを名詞化する。また、この「つ」の付いた形で直接名詞に続く用法もある。「ひとつ」「ふたつ」「いおつ」など。ち。
    1. [初出の実例]「尾津の崎なる 比登都(ひとツ)松 あせを」(出典:古事記(712)中・歌謡)
    2. 「かかるわびしき 身ながらに つもれるとしを しるせれば いつつのむつに なりにけり〈壬生忠岑〉」(出典:古今和歌集(905‐914)雑体・一〇〇三)

か【箇・個・个】

  1. 〘 接尾語 〙
  2. 「箇所」「箇条」「箇年・ケ年」「箇月・か月」「箇日」などの形で漢語の数詞につけて、物事を数えるのに用いる。「ケ」「カ」は小さく「ヶ」「ヵ」のように書くこともある。「ケ」は一般には片仮名と理解されているが、じつは漢字「个」の変形。「个」は「箇」の略字で、中国では古くから用いられた。「個」は中国では「箇」と同音・同義。前に来る数字のうち「四」は現代では「よん」と言うが、古くは「し」と言った。「七」は古くは「しち」とのみ言ったが、現代では「しち」「なな」の両方の言い方をする。
  3. 数字で帯分数の呼び方。「三か五分の二」

【箇】

  1. 〘 接尾語 〙 ( 古くは「ち」か ) 数詞に添えて用いる。
    1. [初出の実例]「ななそちやそちは海にあるものなりけり」(出典:土左日記(935頃)承平五年一月二一日)

箇の補助注記

平安時代までは、広く物の数を数えるのに用いられたが、のちには、年数、とくに年齢をいう場合に限定されるようになった。「仏足石歌」の「彌蘇知(ミソチ)あまり二つ」や、現代の「はたち」などの例から、古くは「ち」であったかと思われる。


ち【箇・個】

  1. 〘 名詞 〙じ(箇)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「箇」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 14画

[字音] カ・コ

[説文解字]

[字形] 形声
声符は固(こ)。〔説文〕五上に「竹の枚なり」とあり、竹べらの類で、計数の具に用いる。

[訓義]
1. ものを数えるときにそえる語。こ。
2. 唐以後の俗語で、ものをさすときの語詞に用いる。箇(しゃこ)(この)、那箇(なこ)(あの)の類。
3. 字はまた个・介・個を用いることがある。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕箇 ツツカズ・ヒラ・コレ・ヘテ 〔字鏡集〕箇 ヒラ・カズ・ツツカズ・スベテ・コレ・ヘテ

[語系]
箇・个kaiは同声。介keatも声が近く通用する。〔書、泰誓〕「一介の臣」を〔礼記、大学〕に「一个の臣」に作る。字の原義はそれぞれ異なるが、声が近くて通用する。

[熟語]
箇箇・箇所・箇条・箇人・箇数・箇中・箇儂・箇般・箇様・箇裏
[下接語]
一箇・幾箇・好箇・渾箇・箇・遮箇・若箇・真箇・両箇

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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