日本大百科全書(ニッポニカ) 「卓球の用語」の意味・わかりやすい解説
卓球の用語
たっきゅうのようご
アドバイザー adviser
個人戦や団体戦のときに、ベンチに入ってアドバイスする人。
インパクト impact
ボールがラケットに当たる瞬間のこと。
インプレー in play
プレー中のこと。サービス(俗にサーブ)をする構えのとき(ボールが手のひらに静止している最後の瞬間)から、正規の返球が終わるまでをいう。
エッジ・ボール edge ball
コート表面の縁(ふち)や角に当たったボールで有効打。
オープンハンド・サービス openhand service
正規のサービスの出し方。まず、手のひらを広げて親指だけを離す。次に、指にかからないように手のひらの中央(掌(たなごころ))にボールを静止させ、垂直方向にボールを16センチメートル以上投げ上げ、落下途中でコートの高さより上、しかもエンドラインの外側で打つサービスのこと。
オブストラクション obstruction
進路妨害のこと。相手の打球を、自分のコートの外に出る前や、自分のコートにバウンドする前に、直接ラケットや体、ウエアに当てること。ボールの進路を妨害したと判断されて、失点となる。
オン・ライン on line
ダブルスで、サービスのボールがセンターライン上に入った場合をいう。この打球は有効である。
カウント count
ゲームの得点数。カウントは、つねにサーバー側からコールする決まりで、カウントを聞けば、どちらがリードしているかがわかる仕組みになっている。
カット cut
ボールに後退回転(俗に逆回転)あるいは横回転を与えること。カットマン、オールカット、カットボールなどのように使われる。欧米ではチョップchopという。
グリップ grip
(1)ラケットの握り方。シェークハンドとペンホルダーの2種類がある。(2)ラケットの柄(え)の部分のこと。
クロス・ボール cross ball
コートの対角線に沿って打たれたボール。利き腕側の対角線をフォア・クロス、反対側をバック・クロスという。
ゲーム game
(1)一般的には競技、試合の意。(2)卓球では、セットと同じ意味。公式試合で個人戦の場合、1試合(マッチ)は5ゲームまたは7ゲームが一般的である。
コート court
(1)卓球台全体。(2)ルール用語としては、卓球台の表面のこと。エッジやコーナーは含まれる。
サービス service
ラリーを始めるときの第1球。俗にサーブともいう。卓球はこのサービスからプレーが始まる。サービスを出す人をサーバーという。
サーバーズ・ライト・ハーフコート servers right half court
ダブルスの場合の、サービスするときに使う右半分のコート。レシーバーズ・ライト・ハーフコートに入れないと失点(ミス)となる。
サイド side
コート(天板)の側面のこと。天板には厚みがあるので、表面のエッジとコーナーを除いた部分。サイドに当たったボールは失点となる。
サイド・スピン side spin
ボールの回転の一種で、横回転のこと。当然、左右の横回転がある。
サポート・イン support in
打球がサポート(支柱)に触れて、相手コートに入ること。サービスの場合のみレット(ノーカウント)となり、サービスをやり直す。その他の場合は有効である。
シェークハンド・グリップ shake hand grip
ラケットの柄を、握手するように握る握り方。ラケットの両面を使用するように柄を握って、バックハンド面に人差し指を、フォアハンド面に親指をかける。
ショート short
球足の短いボール。一般的にはショート打法をさす場合が多い。ショート打法とは、ラケットの角度を相手打球の回転にあわせて操作し、相手打球が自分のコートにバウンド直後、その反発力を利用して打ち返す打法のこと。ショート・ボール、ショート・サービス、ショート選手などとも使われる。
スイング swing
腕(ラケット)の振りのこと。打球に勢いをつけるために、腕を後ろに引くことをバック・スイングという。
ストップ stop
(1)相手ボールの球威をうまく殺して、ネット際に小さく返球すること。(2)審判用語。審判員が試合前の練習や試合中のラリーを中止させるときに使われる。
ストレート straight
(1)クロスに対比される用語で、台のサイドラインまたはセンターラインと平行に打つ方向。(2)試合で、1ゲームも落とさずに勝つことを、ストレート勝ち、という。
スピン spin
ボールの回転のこと。サイド・スピン(横回転)、トップ・スピン(前進回転)、バック・スピン(後退回転)などがある。
スマッシュ smash
回転をかけない、もっとも球速のある全力打。
促進ルール expedite system
試合時間を短縮するために設けられたルール。双方のポイント合計が18ポイント以上の場合を除いて、ゲーム開始後10分経過しても終了しない場合に適用される。またそれ以前であっても、双方の競技者から要請があった場合に適用される。ラリー中に10分経過した場合には、審判員がレットとしてラリーを中断させ、中断したときのサーバーが最初のサーバーとなる。以後、サービスは1本交替となる。レシーバーがレシーブを含め13回返球に成功すれば、自動的にレシーバーの得点となる。
チェンジ・エンド change end
ゲーム終了時、または試合を決定する最終ゲームでどちらかが5点先取したとき、コート(エンド)を入れ替わることをいう。
チキータ chiquita
バックハンド技術の一つ。手首を活用して横回転をかけながら打球するバック・フリック(後出)のこと。相手ボールの回転に影響されにくい打ち方なので、近年普及してきた新しい技術。とくに、レシーブに活用される例が多い。
頂点打
バウンドの頂点をとらえて打ち返す方法。
ツッツキ
卓球の慣用語で、コート内でバック・スピンをかけて打つショートカットのこと。相手にツッツキされたボールを打つことを、ツッツキ打ちという。英語ではpush(プッシュ)という。
ネット・イン net in
ネットに当たって入ったボールのこと。サービスの場合はレットとなり、やり直す。それ以外は有効である。
バックハンド back hand
(1)利き腕の反対側。正しくはバックハンド・サイド。(2)利き腕の反対側で打つ打ち方。
バック・フリック back flick
バックハンドで打球を払うように返球する打法。
ハーフ・ボレー half volley
ラリー中にバウンド直後をとらえて打つ打法。ショート打法とは区別される。
フォアハンド fore hand
(1)利き腕側。正しくはフォアハンド・サイド。(2)利き腕側で打つ打ち方。
フォロー・スルー follow through
インパクト後の腕の振り(動き)。フォロー・スルーの終わりをフィニッシュという。
プッシュ push
バウンド直後のボールを、腕を突き出すようにして打つ打法。
フットワーク foot work
足の動き。足さばき。卓球の重要基本技の一つ。
フリーハンド free hand
ラケットを持っていないほうの手のこと。
フリック flick
コート上のボールを払うようにして打つ、難易度の高い打法。
ペンホルダー・グリップ pen holder grip
ペンを持つようなラケットの握り方。
ボディー・ワーク body work
体の使い方。身のこなし。
ボレー volley
相手の打球を、自分のコート内でバウンドする前に、直接ラケットに当てること。失点となる。
ミート meet
ボールとラケットの当たり具合。ミートが長すぎる、ミートをもっと強く、などのように使われる。
ミドル middle
(1)体の中央部。(2)コートの中央部。通常、ミドル攻めといえば、体の中央部を攻めることをいう。
ラリー rally
ボールの往復。ボールが行き来する様子をいう。
レット let
審判員の宣告用語で、ノーカウントのこと。たとえば、サービスがネット・インした場合、他のコートからボールが飛んできた場合、促進ルールに入る場合など、プレーを中断する場合に使う用語。
ロビング lobbing
高い山なりのボール。コートの後方から強いトップ・スピンをかけて、天井に向けて高く返球すること。
ロング long
コートからやや離れて打つ、飛距離の長い打法、またはその打球。通常はフォアハンド・ロング、バックハンド・ロング、ロング・サービス、ロングマンなどのように使われる。