南室村(読み)なむろむら

日本歴史地名大系 「南室村」の解説

南室村
なむろむら

[現在地名]厳原町南室

府中ふちゆう城下の北東に位置し、阿須あず浦の北岸に臨む。「津島紀略」では奈無呂と訓じる。文明三年(一四七一)閏八月一五日の宗貞国安堵書下(馬廻判物帳)に「なむらのうら」とみえ、宗中務少輔に安堵されている。乙宮おとみや社が祀られるのは塩竈祭祀であろう。「海東諸国紀」に「那無頼浦三十余戸」とあるのが当地に比定され、南村浦が南室に転じたとも考えられる。天正二〇年(一五九二)島津義弘は文禄の役での朝鮮出兵に際して四月二七日「対馬名室の湊」より渡海し、五月三日「高麗ふさんかい」に渡っている(五月五日「島津義弘書状」旧記雑録後編)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android