南木曾岳(読み)なぎそだけ

日本歴史地名大系 「南木曾岳」の解説

南木曾岳
なぎそだけ

[現在地名]南木曾町

中央西線南木曾駅の東に仰ぐようにそびえている木曾山脈の一孤峰で、標高は一六七七メートル。

宝暦七年(一七五七)の「吉蘇志略」には「奈岐蘇嶽 駅の東に在り、里老の伝へ云ふに、一つに揚籠山と名づく、即ち山姥の雑劇は此地を指す。未だ然否を知らず。俗に又呼で啼比曾と曰ふ。甚だ之の言葉を諱ばかる。按ずるに、此峰は駒嶽御嶽と相聳へ中央に在り、恐らく是れ中木曾嶽なり。而も省訓の訛まり也」とあり、「ナギソダケ」のほかに「アゲロウヤマ」とも「ナキビソ」ともいったとある。揚籠あげろう山の山名にまつわる坂田金時の伝説があり、今でも金時岩という岩がある。またナキビソはよく泣く子供のことをさし、転じて雨の降り出すことにも使うが、この山の頂上に雲や霧がかかると雨が降りだすことからナキビソ山と名付けられたという伝承もある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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