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南水北調

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

南水北調

故毛沢東主席が52年に着想。政府が研究を続けてきた。総投資額は約5千億元(6兆8千億円)。長江の上、中、下流の3カ所でそれぞれ取水し、黄河の水量に匹敵する年平均約450億立方メートルを3本の導水線で運ぶ。東線は02年12月着工した。東線が水の汚染、中央線は取水量の不安定さ、西線は難工事と巨額の事業費が問題点として指摘されてきた。

(2008-03-20 朝日新聞 朝刊 1外報)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」朝日新聞掲載「キーワード」について | 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

南水北調
なんすいほくちょう

中国南方の長江の水を北方地域に送り、北京(ペキン)周辺や陝西(せんせい)省などの慢性的な水不足を解消するプロジェクト。中華人民共和国建国後間もない1952年、当時の主席毛沢東(もうたくとう)が河南(かなん)省を視察した際に「黄河の水不足」の報告を聞き、「南方に水が多く、北方に水が少ない。可能なら少し借りたい」と発言したことをきっかけに、中国政府が調査研究を始めた。毛沢東発言から50年後の2002年にようやく着工した。
 投資総額は5000億元(約10兆円)。長江の上、中、下流の3か所からそれぞれ取水し、3本の導水ルートで黄河の水量に相当する年平均450億立方メートルの送水を目ざしている。プロジェクトの規模、難度は三峡ダム工事を超え、中国メディアは「人類史上もっとも巨大な工事の一つ」と表現した。2014年12月に中央線の1期工事1432キロメートルが完成し、通水された。計画では、工事全体の完成は2050年以降になる。
 同プロジェクトについては、国内外からさまざまな批判が寄せられている。巨額の工事費がかかることのほか、供水量が少なかった場合の経済効果や、長江における船の航行への影響、100万人単位の住民の移動問題、さらに生態系への影響などが懸念されている。[矢板明夫]

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