南無谷村(読み)なむやむら

日本歴史地名大系 「南無谷村」の解説

南無谷村
なむやむら

[現在地名]富浦町南無谷

現富浦町北部の西端に位置し、新田しんでん川が流れる。西は海(浦賀水道)に面し、村は岡方と浜方に分れる。地名は、日蓮がここに妙福みようふく寺を開き、以後この地を南無妙法谷と称したことにちなむというが、確証はない。天正六年(一五七八)に記された妙本みようほん(現鋸南町)住持日我の当門徒前後案内置文(定善寺文書)に「ナムヤ」とみえる。年不詳三月一七日の日侃書状(妙本寺文書)には「なむやの妙源と申入道」が同一六日に死去したとある。慶長二年(一五九七)の安房国検地高目録に村名がみえ、高四四九石余、うち田方二六〇石余。里見氏給人領。同氏改易後は幕府領となり、寛永二年(一六二五)頃旗本小浜守隆に与えられた(知行高一千五〇〇石のうち)。寛文元年(一六六一)小浜重隆の死没により、嗣子がないためいったん収公されたが、同二年養嗣子良隆に旧領のうちで一千石が与えられ、当村も小浜領に復帰。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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