危急新生児(読み)ききゅうしんせいじ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「危急新生児」の意味・わかりやすい解説

危急新生児
ききゅうしんせいじ

出生前、分娩(ぶんべん)中、出生後に危険な因子をもち、病気や死亡の危険性が高く、特別な看護を必要とする緊急状態にある新生児で、ハイリスクインファントhigh risk infantあるいはハイリスク新生児ともよばれる。多くは呼吸障害であるが、ほかに先天性の形態異常(心臓、肺、消化器など)をはじめ、肺炎肺出血、自然気胸など、さまざまな緊急状態がある。したがって、妊娠中からその発見に努め、分娩後ただちに新生児の異常に対応できるようにしておかなければならないので、危急新生児とは、このような概念で新生児の緊急状態をまとめたものと考えればよい。こうした新生児のためにはICU一種、新生児集中治療室neonatal intensive care unit(NICUまたはNCU)がある。

 なお、母体の危険性も考慮に入れてハイリスク妊娠としても扱われることがあり、エレクトロニクスを利用してハイリスク妊婦ならびに胎児の状態を監視し、異常を早期に発見する分娩監視装置もある。

[坂上正道]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android