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新生児 しんせいじ

妊娠・子育て用語辞典の解説

しんせいじ【新生児】

生後4週間までの時期の赤ちゃんをこう呼びます(=新生時期)。羊水という「水中生活」から外界、つまり大気中へと、赤ちゃんは激変する環境に適応するために必死。人の一生の中でもっとも大きな環境の変化を経験しています。出生直後の1週間は、子宮の外の生活にうまく適応できないこともある要注意期なので「早期新生児期」と呼びます。

出典|母子衛生研究会「赤ちゃん&子育てインフォ」指導/妊娠編:中林正雄(愛育病院院長)、子育て編:多田裕(東邦大学医学部名誉教授) 妊娠・子育て用語辞典について | 情報

百科事典マイペディアの解説

新生児【しんせいじ】

生まれてから母体外生活に慣れるまでの時期にある乳児。この時期の範囲については,臍帯(さいたい)が脱落するまでまたは黄疸(おうだん)が消えるまでの1週間,血液循環が確立するまでの2週間,血液の諸性質が一定になるまでの1ヵ月間とする説等があるが,国際的には生後1ヵ月までをいう。
→関連項目横隔膜ヘルニア乳児

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栄養・生化学辞典の解説

新生児

 新生仔ともいう.出生して満28日までの乳児.

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家庭医学館の解説

しんせいじ【新生児】

 新生児期とは、生後28日未満の時期をいいます。
 この時期は、胎内(たいない)生活から胎外生活への適応準備期間(ことに生後7~10日目)であり、体温調節の自律、肺呼吸の確立など、あらゆる器官、機能が著しく変化するときでもあります。
 生まれたばかりの新生児は、頭とからだの比率が1対3です。これには胎内生活での、血液の流れが大きく関与しています。
 すなわち、お母さんからもらった酸素の多い血液は、おへそから肝臓に入り、心臓にいきます。そして、約半分が頭をめぐり、残りが胴体(どうたい)や手足をめぐるためです。

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世界大百科事典 第2版の解説

しんせいじ【新生児 newborn】

子宮内で母親から胎盤を通して酸素と栄養を受けていた胎児は,出生と同時に自分で呼吸をし,必要な栄養分を消化吸収して,独立生活を営まなければならない。そのために,体の諸臓器に大きな変化が起こる。この時期にある子どもを新生児という。世界保健機関では生後4週間を新生児期といっているので,日本でも統計などではこの方式をとっている。そのうちでも生後1週間は体の諸臓器の機能に著しい変化が起こる時期で,早期新生児期と呼ばれ,生命に対する危険がとくに高いので,注意深い養護が必要である。

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大辞林 第三版の解説

しんせいじ【新生児】

生まれたばかりの子。生後四週間ぐらいまでの乳児。初生児。新産児。

出典|三省堂大辞林 第三版について | 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

新生児
しんせいじ
newbornnewborn infantneonat

新生児期とは、妊娠・分娩(ぶんべん)の影響が消失し、子宮内の共生生活から子宮外の独立生活への生理的適応過程がほぼ完了するまでの期間をいい、生後おおよそ1、2週間がこの時期に該当する。WHO(世界保健機関)では、生後4週間(28日目)までを新生児期と定義して種々の人口動態や疫学の統計に使用している。さらに、生後1週間を早期新生児期、以後4週間までを後期新生児期と区別している。[仁志田博司]

新生児の特徴

新生児は多くの点で、単に小さいのみならず、きわめて異なった病態生理をもっている。
 まず第一に、子宮内の羊水中で母体に多くを依存していた環境から、独立して生活していくため子宮外環境に適応していく時期である。すなわち、胎盤呼吸(胎盤を通して母体とガス交換を行う)から肺呼吸へ、胎児循環から成人循環への転換が行われ、さらに肝臓、腎臓(じんぞう)、種々の代謝系の機能も急速に胎外環境に適応していく。これらの子宮外環境への適応がスムーズに行われなかった場合、呼吸障害をはじめ種々の疾患がおこる。
 第二は、胎内で受けた母体の影響が色濃く残っている時期である。たとえば、母体が糖尿病であった場合、新生児はその影響を受けて低血糖など種々の問題がおこり、また、母体に麻酔剤や鎮静剤を使用した場合、それが新生児に作用して無呼吸や授乳力低下などを招く。
 第三には、未熟性に起因する種々の問題がおこりうることである。人間の新生児は正期産(在胎37週以上42週未満)で出生しても、動物が出生してまもなく自力で歩き出し、母親のミルクを飲むことを考えれば、人間はすべて未熟で生まれるといえよう。たとえば、体温調節をとってみると、成人にとって心地よいと考えられる25℃前後の温度環境でも、新生児を裸で置いた場合、数時間で低体温となり、さらにそのままの状態が続くと死の危険にさらされる。
 第四は、きわめて急速に成長する時期である。新生児は生後6か月で体重は倍となり、脳の発育では大脳皮質の細胞数は生後10か月までに成人のそれとほぼ同じとなる。この時期の長期の高度の低栄養は、一生の発育・発達に悪影響を及ぼすことが知られている。
 第五は、母子関係確立にきわめて重要な時期である。動物において出生後に児(新生児・乳児・幼児)を母親から分離すると、その後ふたたびいっしょにしても母親は児をまったく受け入れないことが知られているが、人間においても新生児期に母子分離が行われると、のちに種々の母子間の問題が引き起こされることが示されている。新生児が母性を刺激して母親らしさを確立する面がより重要であるが、児も母親から声、スキンシップ、母乳、視線などを通じて種々の刺激を受け、無意識の記憶(インプリンティング)となって、のちのちの発達に影響を及ぼす。それらの点を考慮して近年は、分娩直後より母児の接触を図り、さらに母児同室制が導入されるようになった。[仁志田博司]

新生児医療

日本の新生児死亡率は2000年(平成12)には出生1000に対して1.8であり、1940年(昭和15)の38.7、47年の31.4(第二次世界大戦後最高値)、80年の4.9、90年の2.6と減少を続け、日本の新生児医療は世界のトップレベルとなっている。しかしそれでも、この世に生を受けた新生児500人に1人が生後4週間以内の短い間に死亡し、さらにその3分の2以上が生後1週間以内に死亡するということがあり、新生児期がもっとも死の危険にさらされるときであることはいうまでもない。さらに脳性小児麻痺(まひ)などの中枢神経障害の多くは分娩前後にその原因が求められており、この時期に正しい医療を受けるか受けないかが、その子の一生を左右することからも、新生児医療の重要性がさらに確認されよう。
 また、歴史的に長い間、新生児は名前も戸籍もないところから、病気に陥れば容易に家族や医師からも見捨てられることもあった。新生児医療は学問としても医療体系としても、小児科と産科のはざまにあって日の当たらない分野であった。しかし、1975年(昭和50)前後より日本においても各地に新生児集中治療室neonatal intensive care unit(NICU)がつくられ、病児・未熟児は小児科医の手にゆだねられるようになった。さらにNICUを中心として新生児医療の搬送システムが確立し、急速にこの分野が進歩してきた。新生児の死因は先天性の異常、仮死、呼吸障害、頭蓋(とうがい)内出血、敗血症などがおもなものである。超低出生体重児とよばれる出生体重1000グラム未満の新生児もその約80%が生存し、さらに生存したものの8割以上が後遺症なく生存する時代となった。[仁志田博司]
『仁志田博司著『新生児学入門』(1994・医学書院) ▽仁志田博司編『新生児』新版(1999・メディカ出版) ▽加部一彦著『新生児医療はいま』(2002・岩波ブックレット)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

世界大百科事典内の新生児の言及

【嬰児殺し】より

…新生児を殺害すること。嬰児殺(さつ)ともいう。…

※「新生児」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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