日本大百科全書(ニッポニカ) 「原棘鰭類」の意味・わかりやすい解説
原棘鰭類
げんきょくきるい
[学] Protacanthopterygii
硬骨魚綱Osteichthyes、条鰭(じょうき)亜綱Actinopterygii、新鰭区Neopterygii、真骨亜区Teleostei、正真骨下区Euteleostei、原棘鰭上目に属する魚類の総称。本上目のなかでは、多くの特徴が退化したもの、高度に特化したもの、あるいは正真骨下区のなかでは原始的であるものなど入り乱れているため、それらの類縁関係にはいろいろな見解がある。本上目はニギス目Argentiniformes、サケ目Salmoniformes、カワカマス目Esociformesなどを含む。ニギス目はニギス科、ソコイワシ科、デメニギス科、ハナメイワシ科、セキトリイワシ科などの深海魚が含まれるのに対して、サケ目にはキュウリウオ科、アユ科、シラウオ科、サケ科など淡水から沿岸域、外洋域に生息するものが多く、水産上重要魚が含まれている。カワカマス目にはカワカマス科、ウンブラ科が含まれ、いずれも北半球の淡水域に生息する。なお、キュウリウオ科はキュウリウオ目とする見解もある。
[尼岡邦夫 2015年9月15日]