反復性臍仙痛(読み)はんぷくせいさいせんつう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「反復性臍仙痛」の意味・わかりやすい解説

反復性臍仙痛
はんぷくせいさいせんつう

臍(へそ)の周囲が繰り返し激しく痛む小児疾患で、とくに幼児期後半から学童期前半にかけておこることが多い。特徴としては、〔1〕前触れなく突然おこる腹痛で、〔2〕一度だけでなく繰り返して何回もおこる、〔3〕痛みは臍を中心にした周囲にみられる、〔4〕原因となるような腹腔(ふくくう)内臓器(腸、肝、胆嚢(たんのう)、腹膜、腎(じん)など)の病変がない、ことである。腹痛の程度や持続はさまざまで、数分から数時間に及ぶこともある。背景には自律神経失調症や精神的ストレスが関係していると推定されており、心因的な要素、肉体的な過労が自律神経性に腸管の状態を不安定にし、腸血管あるいは腸自体のれん縮から臍部の腹痛を引き起こすと考えられている。

[山口規容子]

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