取留める(読み)トリトメル

デジタル大辞泉 「取留める」の意味・読み・例文・類語

とり‐と・める【取(り)留める】

[動マ下一][文]とりと・む[マ下二]
失いかけた生命を失わずにすむ。「一命を―・める」
はっきりとさせる。確かにそれと定める。
「誰と云て―・めた相手無いが腹が立つ」〈二葉亭浮雲
押さえとどめる。引き留める。
「―・むるものにしあらねば年月をあはれあなと過ぐしつるかな」〈古今・雑上〉

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精選版 日本国語大辞典 「取留める」の意味・読み・例文・類語

とり‐と・める【取留】

  1. 〘 他動詞 マ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]とりと・む 〘 他動詞 マ行下二段活用 〙
  2. (動いていってしまおうとするものを)おさえとどめる。ひきとめる。とりとどむ。
    1. [初出の実例]「とりとむる物にしあらねば年月をあはれあなうとすぐしつる哉〈よみ人しらず〉」(出典:古今和歌集(905‐914)雑上・八九七)
  3. (命を)失わずにすむ。
    1. [初出の実例]「取留めた医者お内儀の伊達呵(だてわらひ)」(出典:雑俳・兎の目(1748))
  4. 確かにそれと定める。また、自動詞的に用いて、はっきりする。
    1. [初出の実例]「隠居せんと思へども、それもとりとめて思立もせぬ」(出典:古文真宝笑雲抄(1525)一)

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