大学事典 「受取利息・配当金収入」の解説
受取利息・配当金収入
うけとりりそく・はいとうきんしゅうにゅう
預貯金,有価証券の利息や配当金,第3号基本金引当特定資産の運用収入など,学校法人が所有する資産運用を運用して得られる副次的な収入のこと。日本私立学校振興・共済事業団『今日の私学財政―大学・短期大学編』(平成28年度版)によれば,2015年度の大学法人の事業活動収入に占める受取利息・配当金収入の比率は2%となっている。2009年1月に文部科学省学校法人運営調査委員会が公表した「学校法人における資産運用について(意見)」では,学校法人がどのような方法で資産の運用を行うかについては法人自らの責任において決定するものであるが,その資産は教育研究活動を安定的・継続的に支えるための大切な財産であるため,運用の安全性を重視することが求められた。近年,学校法人の資産運用の形態には預金や公共債(国債・地方債・政府保証債)等の保有のほか,仕組債やデリバティブ(金融派生商品)取引などの金融商品による運用も行われるようになっており,慎重な取扱いが必要とされている。なお,国立大学法人・公立大学法人においても余裕金の運用は可能であるが,厳しい制限が設けられている。
著者: 吉田香奈
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報