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地方債 ちほうさい

10件 の用語解説(地方債の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

地方債
ちほうさい

地方自治法および地方財政法において,地方公共団体が資金の調達のために負担する債務で,会計年度をこえて返済が行なわれるもの。公債の一種であり,地方債証券および借入金を含めた意味で用いられる。

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知恵蔵2015の解説

地方債

地方公共団体が財政収入の不足を補うため、あるいは地方公営企業の建設、改良などの資金調達のために行う借入金のうち、1会計年度を超えて返済される長期借入金を地方債という。地方公共団体の普通会計の収入の約13%を占める。普通は政府関係機関資金運用部など国の機関や市中銀行から借り入れる。起債には議会の議決と、総務大臣及び都道府県知事の許可が必要である。現在、地方債を起債できるのは、交通・ガス・水道などの公営企業、出資金・貸付金の財源とする場合、地方債の借款債、災害対策事業、公共建設事業などである。地方自治法地方財政法は適債条件を法定し、赤字が大きすぎたり、公債費比率が著しく高かったり、地方税の徴収率が低い自治体に対して起債を制限している。地方債発行の際の許可制は2006年度から廃止された。廃止後も、都道府県は総務省、市町村は都道府県との協議を必要とするが、財政投融資資金などの政府資金ではなく、民間資金だけを借りる場合は、議会への報告を条件に自由に発行できる。起債制限の緩和に伴い、すでに民間投資機関では地方債の格付けなど市場整備が進んでいる。

(北山俊哉 関西学院大学教授 / 笠京子 明治大学大学院教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

地方債

地方公共団体が財政の運営に際し、1会計年度を超えて外部から調達する債務。市場から資金を調達する公募債には、都道府県や指定市が発行する「全国型」と、市町村も発行できる「ミニ公募債」の二つがある。公募債が市場で流通する利回りは、同年限の国債の利回りに連動。発行自治体の信用度に応じて上乗せ幅が変化する。

(2009-10-17 朝日新聞 朝刊 1経済)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」
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デジタル大辞泉の解説

ちほう‐さい〔チハウ‐〕【地方債】

地方公共団体が歳入の不足を補うために金銭を借り入れることによって負う債務。特に、償還期間が一会計年度を超え、証書借入または証券発行の形態によるもの。また、その債券

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百科事典マイペディアの解説

地方債【ちほうさい】

地方公共団体が国や金融機関から借り入れる資金のうち,1会計年度を越えて返済される債務のこと。証書借入れと証券発行の2形式があり,また都道府県債・市町村債等の区別がある。
→関連項目確定利付証券公債公社債公社債投資信託国債地方財政

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投資信託の用語集の解説

地方債


都道府県や市区町村などの地方公共団体が必要な財源を調達するために発行する債券のこと。公社債の一種である。

出典|(社)投資信託協会
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かんたん不動産用語解説の解説

地方債

地方公共団体が発行する債券。地方公共団体(都道府県、市町村など)が、財政収入の不足を補うために、資金調達によって負担する債務のこと。

出典|(株)ネクストコーポレーション
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世界大百科事典 第2版の解説

ちほうさい【地方債】

地方公共団体が歳入の不足を補うための資金の借入れによって負担する債務であり,その履行が1会計年度をこえて行われるものを地方債という。その発行は通常,証書借入れまたは証券発行の形をとる。地方財政の運営に関しては,地方財政法5条の規定により,原則として地方債による財源調達が禁止され,次の5項目についてのみ例外的に起債が認められている。(1)交通・ガス事業など地方公共団体の公営企業の財源に充てる場合,(2)出資金および貸付金の財源に充てる場合,(3)地方債の借換えの財源に充てる場合,(4)災害関係事業の財源に充てる場合,(5)普通税の税率がいずれも標準税率以上である地方公共団体において,公共・公用施設の建設および用地取得の財源に充てる場合。

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大辞林 第三版の解説

ちほうさい【地方債】

地方公共団体が債券の発行を通じて行う借金により負う債務。また、その発行された債券。 → 公債

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

地方債
ちほうさい

地方公共団体が資金の借入れによって負う債務で、その返済が一会計年度を超えるものをいう。同じように地方公共団体の債務である一時借入金は、その年度内における一時的な現金の不足を補うものなので、地方債には含めない。また、現金の支払いにかえて交付される交付公債は地方債に含める。[大川 武]

適債事業

地方公共団体は地方債以外の歳入をもってその歳出をまかなうことが原則とされており、地方債を財源とすることができるのは、次の五つの事業(適債事業という)の経費の財源とする場合に限定されている。
(1)交通事業、水道事業などの公営企業に要する経費
(2)出資金および貸付金
(3)地方債の借り換えのために要する経費
(4)災害応急・復旧・救助事業費
(5)普通税の税率がいずれも標準税率以上である地方公共団体における公共施設または公用施設の建設事業費や公共用または公用に供する土地の購入費
 ただし、赤字比率(標準財政規模に対する実質収支赤字額の割合)が一定率(市町村20%、都道府県5%)以上の団体は、財政再建計画に従って財政の再建を行う場合でなければ、地方債を前記(5)の事業経費の財源とすることはできない。なお、このほかに、特例法によって発行が認められている地方債もある(減税補填(ほてん)債、鉱害復旧事業債、退職手当債、辺地対策事業債、歳入欠陥等債、過疎対策事業債、公害防止事業債など)。[大川 武]

地方債の種類

地方債はその属する会計によって普通会計債と公営企業会計債とに区分される。前者は元利償還が主として一般財源で、後者は主としてその企業の収入でなされる。また、地方債を引受け資金からみると、まず国内資金と国外資金とに分類され、前者はさらに政府資金、公営企業金融公庫資金、民間等資金に区分される。政府資金は資金運用部資金、簡保資金などからなり、民間等資金は市場公募資金と縁故資金とに分かれる。ただし、市場公募債の発行を認められているのは、一部の都道府県と大都市に限られている。地方公共団体にとっては、なるべく利率が低く、償還期限が施設の耐用年数に近く、据置期間が建設期間と一致し、元利償還金の各年度の負担があまり変動しない資金が望ましい。一般的には、各種資金のなかで政府資金がこれらの条件をもっともよく満たしている。また、地方債を発行形式からみると、証書借入と証券発行とに分類できる。証書借入とは、地方公共団体が借入先に借用証書を提出して資金を借り入れる方法で、政府資金と公庫資金の借入れはこの方法によっている。証券発行とは、地方公共団体が地方債証券を発行し、これを金融機関等が引き受けることによって資金を調達する方法で、市場公募債、縁故債の発行はほとんどこの方法によっている。[大川 武]

地方債許可制度

地方債を財源とすることができる事業については、地方公共団体は「予算の定めるところにより、地方債を起こすことができる」のがたてまえであるが、現在は、地方債の発行には、都道府県、政令指定都市、特別区にあっては総務大臣の、その他の市町村にあっては都道府県知事の許可が必要とされている。地方債の許可は地方債計画と地方債許可方針に基づいて行われる。
 地方債計画とは、毎年度、国の財政投融資計画と関連して策定される地方債の年度計画で、事業別の起債許可予定額と資金区分を示したものである。地方債許可にあたってのいわば量的な基準である。これに対して、地方債許可方針は、許可にあたっての具体的な基準で、これによって、赤字団体、徴税成績の悪い団体、公債費の比率の高い団体などは起債を制限されるなど、細かな規制が行われる。
 この制度は、1947年(昭和22)に「当分の間」ということで設けられながら、現在まで存続してきたものであるが、その根拠としては、次のような点があげられていた。
(1)現在、地方債は地方税、地方交付税などの一般財源の補助的財源となっており、総合的な見地から配分を行う必要があること
(2)地方公共団体が無理な負担を将来に残さないよう、地方債を適正限度内に抑える必要があること
(3)現在の財政金融情勢の下では、地方公共団体の資金需要も国全体の資金計画のなかに織り込み、国、民間の資金需要との調整を図る必要があること
(4)許可制度を通じて有力団体への資金の偏重を防止し、資金配分の公平を図る必要があること
 しかし、これらの根拠については疑問や反論も少なくなかった。とくに、財政運営の健全性の確保は地方公共団体が自らの責任で行うべきことであり、国の後見的指導は地方自治を損なうものであるという意見が強い。また、地方債許可制度が現実において国の政策を地方に浸透させるための有力な手段となっていることも否定できない。
 このような地方の声を受けて、地方分権推進委員会は許可制の廃止と事前協議制への移行を勧告し、地方分権一括法(2000年4月施行)によってこれが実現された。ただし、許可制度から協議制度への移行は、2006年度(平成18)からとされている。新たな協議制度の下では、地方公共団体は総務大臣等と協議を行えば、その同意がなくても、議会に報告のうえ自由に地方債を発行しうる仕組みとなっている。しかし、同意を得た地方債についてのみ、政府資金等公的資金が充当され、元利償還金について地方財政計画や地方交付税制度を通じた財源保障が地方公共団体に対して行われることになる。また、実質収支の赤字や起債制限比率が一定水準以上の地方公共団体等に対しては許可制度が適用される。また、協議制度の下でも、総務大臣等が協議を受けて同意(または許可)をするにあたり、具体的判断の基準となる同意基準(または許可基準)と起債の予定総額等を示した地方債計画が定められることになっている。[大川 武]

地方債発行状況

地方歳入(都道府県と市町村の純計)に占める地方債の比重は、1989年度(平成1)に7.8%であったのが、バブル景気が崩壊した92年度には11.2%と急増し、95年度には16.8%に達した。以後14~15%を占め、99年度は12.6%となっている。次に、発行目的別に地方債総額に占める比率をみると、89年度には、一般公共事業債5.1%、一般単独事業債32.7%であったのが、95年度にはそれぞれ20.5%、41.3%と急増し、99年度にもそれぞれ27.6%、40.2%を占めている。景気対策のための公共事業に地方債が積極的に活用されてきたことがわかる。
 一般公共事業債(補助事業と直轄事業の地方負担分について発行)と一般単独事業債の規模は1960年代までは大きな差はなかったが、70年代に入ってから一般単独事業債が一般公共事業債を大きく上回るようになった。この原因の一つは、オイル・ショック以降、国の歳出抑制によって国庫補助事業の伸びが抑制されたこと、したがって公共投資基本計画等の達成のためには地方公共団体の役割の拡大が必要になり、地方公共団体が引き受けやすいように地方債と地方交付税とを組み合わせた制度を設けたことなどによる。また、前記の数字で、一般公共事業債の比重が95年度に大幅に増えているのは、93年度に公共事業費などの国庫補助負担率の引下げが恒久化されたことに対する措置として、94年度から臨時公共事業債(起債充当率の臨時的引上げ、対象事業の臨時的拡大)が追加されたためである。
 地方債の内容にみられるもう一つの特徴は、地方の財源不足を地方債で補填するための措置がとられてきたことである。このような地方債には、財源対策債(1976年度以降、地方財源不足を補填するために発行された建設地方債)、臨時財政特例債(85年度~92年度間の、投資的経費にかかわる国庫補助負担率の暫定的引下げに関して、その国庫補助負担金減額分を補填するために増発された建設地方債)、減収補填債(地方税の収入額が標準税収入額を下回る場合、その減収を補うために発行する地方債)、減税補填債(恒久的な減税等による地方公共団体の減収額を埋めるために発行される地方債。税の振り替わりとしての性格をもち、建設事業以外の経費にも充当できる)などがある。いずれもその元利償還金の一部または全部が地方交付税の基準財政需要額に算入される。これらの地方債の比重は、89年度には13.2%、95年度には14.3%、99年度には9.3%となっている。
 地方債の比重の増大は、当然のことながら公債費の増大をもたらし、地方公共団体の財政運営を圧迫する。その圧迫の度合いを示す指標に、公債費負担比率や起債制限比率がある。公債費負担比率は、公債費に充当された一般財源の一般財源総額に対する割合である。一般に、15%が警戒ライン、20%が危険ラインとされている。また起債制限比率は、地方債元利償還金に充当された一般財源のうち地方交付税で措置された額を除いた額の標準財政規模(標準的な状態での経常的一般財源の規模)に対する割合で、過去3年間の平均を用いる。20%以上30%未満の団体に対しては一般単独事業および厚生福祉施設整備事業にかかわる地方債が、30%以上の団体に対しては前記事業債を含む一般事業債が許可されない。都道府県と市町村の合計で、公債費負担比率と起債制限比率の変化をみると、89年度は11.3%と9.9%、95年度は13.3%と9.9%、99年度は17.2%と11.0%となっている。いずれの比率も上昇しているが、とくに公債費負担比率の上昇が大きい。また公債費負担比率と起債制限比率の差が開いてきているのは、後年度の元利償還金を地方交付税で財源措置するケースが増大していることを示している。[大川 武]
『加藤三郎著『政府資金と地方債』(2001・日本経済評論社) ▽地方債制度研究会編『地方債の手引』各年版(地方財務協会)』

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