口網(読み)クチアミ

デジタル大辞泉 「口網」の意味・読み・例文・類語

くち‐あみ【口網】

語義未詳。土佐日記の「かの人人の、口網も諸持ちにて、この海辺にて、担ひ出だせる歌」の部分では、漁師がそろって網をかつぎ出すように、人々がそろって歌を詠むようすを表現したものといわれる。
かごなどの出入り口を閉じる網。
「籠の―打ち開き」〈浄・娥歌かるた〉

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精選版 日本国語大辞典 「口網」の意味・読み・例文・類語

くち‐あみ【口網】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 語義未詳。一説に、人々が口を揃えて歌を歌い出したのを、漁師が揃って魚網をかつぎ出す海浜実景にかけて「口網」と表現したものという。
    1. [初出の実例]「かのひとびとのくちあみももろもちにて、このうみべにて、になひいだせるうた」(出典:土左日記(935頃)承平四年一二月二七日)
  3. (かご)などの出入口を閉じる網。
    1. [初出の実例]「籠の口あみ打ち開き、みな一同に放さるれば」(出典:浄瑠璃・娥歌かるた(1714頃)小鳥尽し)

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