日本大百科全書(ニッポニカ) 「古地磁気年代」の意味・わかりやすい解説
古地磁気年代
こちじきねんだい
paleomagnetic age
火山岩の放射年代と古地磁気極性の変化を組み合わせてつくられた年代尺度。陸上の岩石によって500万年前ぐらいまで作成されている。
この尺度によって、およそ240万年前から70万年前の間の大部分の時期が、現在と逆の極性であることがわかる。この時期を松山逆磁極期という。松山逆磁極期のなかには、オルドバイ短期正磁極期(190万~170万年前)のように短期間現在と同じ極性であった時期が何回か確認されている。さらに、海底の縞(しま)状磁気異常が海洋底拡大説(のちにプレートテクトニクス説に包含された)によって説明できることを利用し、現在では、中生代ジュラ紀後期(およそ1億6000万年前)までの古地磁気年代が作成されている。また、これより古い時代のデータは現在の海洋底には残っていないが、陸上にある地層のデータを用いて、古生代カンブリア紀までの古地磁気年代の作成が試みられている。
[伊藤谷生・村田明広]