日本大百科全書(ニッポニカ) 「松山基範」の意味・わかりやすい解説
松山基範
まつやまもとのり
(1884―1958)
地球物理学者。大阪府の出身。1910年(明治43)京都帝国大学理工学部物理学科を卒業し、同大学院で地球物理学を学ぶ。1916年(大正5)京都帝国大学助教授となり、1919年より1921年まで欧米へ留学。1922年教授。1929年(昭和4)には岩石磁気の研究から地質時代に地球の磁気の逆転があったことを提唱。1934~1936年にかけては潜水艦に器械を積み込み重力測定を実施し、日本海溝近傍に重力の負の異常の存在することを発見、日本列島の地学的解明に大きく貢献した。第二次世界大戦後、1949年(昭和24)には山口大学長、1950年には日本学士院会員となる。著書に『今始庵(こんしあん)だより』(1954)という随筆集がある。
[藤井陽一郎]