コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

海洋底拡大説 かいようていかくだいせつocean floor spreading hypothesis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

海洋底拡大説
かいようていかくだいせつ
ocean floor spreading hypothesis

太平洋などの海洋底中央海嶺から湧出し横に広がり,海溝からマントルの中に沈み込むとする仮説。中央海嶺では張力が働き海嶺頂部には地溝が生じる。海洋底がマントルの中へ沈み込むところでは大きな海溝を生じ島弧系を形成する。移動の速度は1年に数 cmから 10cmと推定される。原動力としてはマントルの熱対流が考えられている (→マントル対流 ) 。海洋底拡大説によって,海溝,ギヨー,中央海嶺,断裂帯などが統一的に説明され,大陸移動,造山運動などの陸上の地質現象も説明される。 (→大陸移動説 )

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

デジタル大辞泉の解説

かいようてい‐かくだいせつ〔カイヤウテイクワクダイセツ〕【海洋底拡大説】

マントル対流によって中央海嶺の中軸で高温物質が湧き出し、新しい海底となって海嶺の両側に広がっていき、古い海底は海溝でマントルの中に沈み込んで、常に更新しているという学説。この考えは、プレートテクトニクスに発展した。大洋底拡大説海底拡大説

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

百科事典マイペディアの解説

海洋底拡大説【かいようていかくだいせつ】

海底拡大説,海底更新説とも。世界の大洋底は,中央海嶺(かいれい)の頂上部でたえず生産され,年間数cm程度の速度で両側に拡大していき,海溝(かいこう)地域でふたたび地球内部にもぐりこんでいくという学説。
→関連項目縞状磁気異常

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典 第2版の解説

かいようていかくだいせつ【海洋底拡大説 ocean‐floor spreading theory】

海洋底が大洋中央海嶺(海嶺)の山頂部で生成され,数cm/年の速さで両側に移動し,海溝沿いで再びマントル内に沈み込むとする学説。世界中の海洋底の合計面積は増加するわけではないが,中央海嶺の付近を見れば海洋底は拡大しているので,こうよばれた。 この考えの萌芽は,1940年代に出版されたホームズArthur Holmes(1890‐1965)の著書中に見られるが,明瞭な形を整えたのは60年代の初めで,ヘスHarry H.HessやディーツRobert S.Dietzらによる。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

かいようていかくだいせつ【海洋底拡大説】

海洋底は、中央海嶺の中軸部において形成され、年間数センチメートルの速さで水平方向に移動して海嶺の両側を次々と更新、拡大するという学説。アメリカのディーツ(R.S.Dietz)が1961年に、同じくヘス(H.H.Hess)が62年にそれぞれ提唱。後、種々の証拠によって確かめられ、プレート-テクトニクスの考えへと発展。大洋底拡大説。海底拡大説。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

海洋底拡大説
かいようていかくだいせつ

1960年代の初めから唱えられた学説で、海嶺(かいれい)を、地球内部から物質が上昇してくる所とし、新しい海洋底(海洋底プレート)が生まれる湧(わ)き出し口が中軸谷であるとする説。大陸には地球の年齢にふさわしく35億年を経た岩石が存在するが、大洋底には2億年以上さかのぼるものが何もみつかっていないところから、大洋底が絶え間なく生まれ変わっているとみたことによる。新しい海底は、より古い海底を両側に押しやりながら、片側で1年に数センチメートルの速度で成長していく。したがって、大洋底は中央海嶺から隔たるほど古くなっていることになる。およそ2億年かかって大陸の周辺に到達した古い海底は、大陸の下に沈み込み、地球内部に還元されやがて消えていく。その沈み込み口が海溝である。このように、大洋底は恒久的なものではなく、つねに拡大(むしろ更新というべきであろう)しているというのが海洋底拡大説の主張である。この説は、最近の海洋底地球物理学がもたらした種々の証拠によって裏づけされ、多くの科学者に受け入れられている。
 この説を踏まえ、地球上のさまざまな変動活動の原動力を追究しようとするのがプレートテクトニクスplate tectonicsという作業仮説である。プレートテクトニクスでは、地球表面は厚さ100キロメートル程度のプレート(リゾスフェアともいう)で覆われていると考える。プレートは海嶺の中軸谷、トランスフォーム断層、海溝などを境に、太平洋、ユーラシア、北アメリカ……など、いくつかに分割されている。プレートはゆっくりと地球表面をすべり動くことができるので、プレートという巨大な筏(いかだ)にのっての「大陸移動」も可能である。それぞれのプレート自体は安定したブロックだから、その内側の地域に変動活動は生じない。しかし、プレートの相対運動に伴って、プレートの縁(へり)の部分では、互いの押し合い、擦れ違い、重なり合いなどがおこる。このようなプレート間の相互作用によって、プレートの縁の部分に山脈や海溝などの大構造がつくりだされ、地震や火山活動の舞台となる。このように考えれば、地球上のいろいろな変動活動を統一的に説明できる。[勝又 護]
『上田誠也著『新しい地球観』(岩波新書) ▽竹内均・上田誠也著『地球の科学』(1964・NHKブックス) ▽『海洋科学別冊9 海洋地球物理研究』(1972・海洋出版)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

海洋底拡大説の関連キーワードヘス(Harry Hammond Hess)ヘーゼン(Bruce C. Heezen)グロマーチャレンジャー号国際ジオダイナミクス計画ロバート・S. ディーツ国際地球内部開発計画バインマシューズ仮説トランスフォーム断層B.C. ヘーゼン国際深海掘削計画アイソスタシーフェーマス計画ゴンドワナ大陸大西洋中央海嶺アセノスフェアオフィオライトマントル対流説H.H. ヘス深海掘削計画アイスランド

今日のキーワード

いい夫婦の日

11月22日。通商産業省(現経済産業省)が制定。パートナーへの感謝の意を示し、絆を深める。...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android