日本大百科全書(ニッポニカ) 「古大陸塊」の意味・わかりやすい解説
古大陸塊
こたいりくかい
現在世界各地にある最古の大陸塊は、中生代ジュラ紀に大陸移動が始まる前には一つの大陸をなしており、これは、A・L・ウェゲナーによってパンゲアと命名された。
この大陸塊は二つに分類されている。その一つは地球の北側にあるローラシアLaurasia、他は地球の南側にあるゴンドワナGondwanaである。前者はローレンシアLaurentia(グリーンランドを含む北アメリカ大陸塊)とユーラシアEurasia(北ヨーロッパとシベリア塊)からなる。後者は、南アメリカ、アフリカ、インド、オーストラリア、南極大陸塊などからなっている。
古大陸塊は先カンブリア時代(5億7500万年以前)の基盤岩層からなる。それらは、結晶片岩、片麻(へんま)岩、花崗(かこう)岩などからなり、この陸塊の周縁部ではその上位に外縁方向に緩やかに傾く古生界が重なっている。この事実は、古大陸塊が古生代以来著しい地殻運動を受けなかったことを物語っている。その地表部は、準平原状の起伏を表し楯(たて)状をなす場合(例、カナダ楯状地、バルト楯状地)もあるが、東アフリカではその標高は1500メートルに及び、バルト海では海面下にある。この大陸塊の総面積は世界の陸地総面積の25%を占め、各大陸塊の所々に貴金属(金、ダイヤモンドなど)や鉱物資源(ウラン、鉄、銅などの鉱石)が埋蔵されている。古大陸の形成機構は、プレートテクトニクス説で説明されている。
[有井琢磨]