古検新検(読み)こけんしんけん

改訂新版 世界大百科事典 「古検新検」の意味・わかりやすい解説

古検・新検 (こけんしんけん)

江戸時代の検地用語。この区別には,(1)天正・慶長年間(1573-1615)に行われた太閤検地古検,その後徳川氏の検地を新検という。(2)江戸時代1690年(元禄3)2月,幕府検地条目公布を基準としてその前後に分ける。(3)1726年(享保11)6月,幕府の新田検地条令公布を基準としてその前後に分ける。以上のうち,(1)はおもに畿内では適用できるが他の地域では不可。(2)(3)の場合,それぞれの時点での区分であるが,現実には新検に当たる元禄・享保年間以降に総検地を実施している地域はごく例外でこれも不可。(4)幕府の場合,検地条目で古検・新検の区別をしたのは1677年(延宝5)が上限で,この年を中心に前後に分けた。(5)学術用語としては,ある地域に2度以上の総検地が行われた場合,特定の検地施行時を基として以前を古検,以後を新検といっている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 神崎

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む