1993年に登録、2000年に登録内容が変更されたイエメンの世界遺産(文化遺産)で、首都サナアの南西に位置する。イエメンで最も古いモスクが造られた場所として知られ、その後、混乱の時代があったものの、819年にムハンマド・イブン・ジヤードが町を創設、その後、ジヤード朝を建国し、アラビア半島初の大学を創立した。この大学は単なる神学校ではなく、町中にあるたくさんのモスクと学校の集合体であり、国内のみならず外国からも多くの学生が訪れて、全盛期には5000人もの学生が200以上のマドラサ(イスラムの高等教育施設)やモスクで学んでいたという。城壁に囲まれた旧市街には、漆喰でできた幾何学模様のレリーフがあるアル・アシャエル・モスクなどの建造物が見られる。人類の歴史上、重要な時代を例証するものとして、世界遺産に登録された。都市化などの理由で、2000年には危機遺産リストに登録されている。◇英名はHistoric Town of Zabid