マドラサ(英語表記)madrasa

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マドラサ」の意味・わかりやすい解説

マドラサ
madrasa

イスラム教教義を研究,教授する学院トルコ語ではメドレセという。10世紀頃ガズニー朝において,シーア派との抗争のなかで創始されたという。セルジューク朝ニザームル・ムルクマドラサを制度化し,19世紀末までは,西アジアのほとんどの都市には一つ以上のマドラサがあったが,近代高等教育の普及とともに衰退した。なおインド,東南アジアでは,マドラサは初等レベルのコーラン学校を意味することもある。建築的には,イスファハンのマドラサ・マーダル・イ・シャー(1706~14)のように,中庭を囲んで講義室としての四つのイーワーンと,2層アーケード状の学生の住房とを配するのが一般的。しかしより小規模なものでは,2イーワーン形式とすることもある。またトルコでは,コニアのインジェ・ミナーレ・マドラサ(1260~65)のように,中庭部分をドームで覆う形式が発達した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android