古鏡記(読み)こきょうき(英語表記)Gu-jing-ji

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「古鏡記」の意味・わかりやすい解説

古鏡記
こきょうき
Gu-jing-ji

中国,隋末唐初頃の文語小説。作者は隋の王度と伝えられるが,作中人物の事跡が当時の隠者詩人として有名な王績と合致するので,その兄,王凝 (おうぎょう) の筆名と考えられている。作者が,かつて師事した侯生という人物から受けた古鏡が,妖怪正体をあばくなど,霊妙を現すいくつかの事件を綴ったもの。

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世界大百科事典(旧版)内の古鏡記の言及

【鏡】より

…人間の姿をとって出現した動物たちの正体を,鏡に照らすことによって見破ったという話は,《抱朴子》など道教系の書物のほか,六朝期の志怪小説にいくつも見える話題である。こうした破邪の鏡の話を集大成した物語として,唐初の《古鏡記》がある。また唐末ごろより地獄の審判の場に鏡が置かれて,死者の生前の善悪の行いがそこに映し出されるといった絵画や物語が多くなるが,これも虚偽を見破るという,前述の鏡の持つ破邪の力によるものである。…

※「古鏡記」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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