改訂新版 世界大百科事典 「可測関数」の意味・わかりやすい解説
可測関数 (かそくかんすう)
measurable function
空間Rのなかで,測度が定義される集合を可測集合といい,可測集合E(=Rでもよい)の上で定義された関数fに対して,f(x)>cとなる点xの全体をEcとするとき,いかなる実数cに対してもEcが可測集合であるような関数fを可測関数という。可測関数のf,gの一次結合や積は可測関数であり,任意のα≧0に対して|f|αも可測関数である。またg(x)=0なる点xを定義域から除けば,f/g,|g|⁻α(α>0)も可測関数である。可測関数の列{fn}があって各点xでが存在すればfは可測である。とくにユークリッド空間においてルベーグ可測集合を考える場合には,連続関数は可測関数である。負でない値をとる可測関数に対しては積分が定義せられ,任意の可測関数については,その正の部分,負の部分の少なくとも一方の積分が有限ならば,もとの関数の積分が定義される。
執筆者:伊藤 清三
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報