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測度 そくどmeasure

翻訳|measure

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

測度
そくど
measure

1次元における長さ,2次元における面積,3次元における体積などの概念を,一般の集合にまで無理のないように拡張して一般化,抽象化した概念である。 E.ボレルや H.ルベーグが,C.ジョルダンの集合に関する容積 extent (→ジョルダン測度 ) の定義を改良してさらに一般化し,今日の測度の概念を得た。 m 次元ユークリッド空間 Rm 内の任意の点集合を A とする。このとき開区間の列 {In} をつくると,そのたかだか可算個の In(n=1,2,3,…) の合併集合 ∪InA をおおうことができる。このようなあらゆる区間列の容積の和 ΣnIn| の下限 inf {ΣnIn|:A⊂∪In}=m*A を,A のルベーグ外測度,あるいは単に外測度という。外測度 m*A には次の性質がある。
以上の4つの条件を満足する m*A を,逆に外測度の定義とすることもできる。この場合,m*A をカラテオドリー Caratheodory の外測度という。 A のほかに Rm の任意の集合 X をとると,条件(4) から m*Am*(XA)+m*(XAc) が成り立つが,特に m*Am*(XA)+m*(XA) であれば,Rm の点集合 A は可測であるという。このときの m*AmA あるいは |A| と書き,Aルベーグ測度,あるいは単に測度という。

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デジタル大辞泉の解説

そく‐ど【測度】

[名](スル)
はかること。特に、度数などをはかること。
「この星の軌道及び動転の遅速を精(くわ)しく―して」〈中村訳・西国立志編
数学で、長さ面積体積の概念の拡張として、一般の集合部分集合に対して定義される量。

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世界大百科事典 第2版の解説

そくど【測度 measure】

平面上の簡単な図形は面積が定義される。一般に,平面上の点集合Aが面積をもつときに,その面積を|A|と書くことにする。集合A1,A2,……,Anがいずれも面積をもち,どの二つも互いに交わらないならば,それらを合併した集合AA1A2∪……∪Anも面積をもち|A|=|A1|+|A2|+……+|An|となる。しかし,集合の無限列A1,A2,……,An,……については,このことは成り立たない。直線上の図形の長さ,空間図形の体積の概念についても同様なことがいえる。

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大辞林 第三版の解説

そくたく【測度】

( 名 ) スル
おしはかること。推測。

そくど【測度】

度数をはかること。
〘数〙 〔measure〕 長さ・面積・体積の概念の拡張として、一般の集合に対して定義される量。 → ルベーグ積分

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

測度
そくど

直線上の区間I=[a,b]の長さはb-aであるが、これを|I|で表す。直線上の集合Eにつねに長さに相当するような量m(E)を定義できないかという問題がある。そのとき量m(E)(Eの測度という)は理想的には次の性質をもつことが望ましい。
(1)m(E)≧0はすべての集合Eに定義され、
(2)Eが区間Iのときは
   m(I)=|I|
(3){En}が互いに共通部分をもたないとき、

(4)集合Eをaだけ平行移動することをa+Eで表すと、
  m(a+E)=m(E)
 しかし、このような測度を、すべての集合に定義することはできないことがわかっている。ルベーグは、Eをまず可算個の区間の列{In}で覆い(つまり

とする)、

を考える。Eのいろいろな覆い方のうち、(*)の最小値をm*(E)で表し、Eの外測度という。外測度は任意の集合Eに対して定義されており、
  m*(E)≧0, m*()=0
   (は空集合)
  E⊂Fならばm*(E)≦m*(F)
など、大きさを測る量としての基本的な性質をもっているが、集合E、Fが共通部分をもたないときでも、
  m*(E∪F)=m*(E)+m*(F)
   (加法性)
とは限らない。そこで、任意の集合Aに対し、
  m*(A)=m*(A∩E)+m*(A∩)
が成立する集合Eを可測集合といい(はEの補集合)、
m(E)=m*(E)をEの測度と定義する。すると、m*(E)=0ならばEは可測集合、また、開集合や閉集合などの基本的な集合はすべて可測集合になる。このように、測度を可測集合の族Mだけで考えることにすると、測度は前述の(1)~(4)の性質をもつ。
 測度の概念は次のように抽象化することができる。任意の集合Xをとり、その部分集合のある族Mを考える。Mの要素E∈Mに、負にならない数m(E)が定義されて、これが前に述べた(1)~(3)を満足するとき、E∈Mを可測集合、m(E)をEの測度といい、これらをひとまとめにして{X,M,m}を測度空間という。測度空間が与えられると、そこで定義された関数にルベーグ積分を定義することができるが、ルベーグ積分のよさは、測度空間の完全加法性による。測度空間で、とくに全空間Xが測度1をもつとき、確率空間といい、確率論はここで展開される。最後に、集合Xが位相群のとき、a,b∈Xの積をabと書くとき、前述の(1)から(3)までと、(4)のかわりに、
(4)′m(a-1E)=m(E)
を要求した測度をハールの測度といい、位相群のうえで解析学をするのに重要な役割をする。[洲之内治男]

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世界大百科事典内の測度の言及

【拍子】より

…西洋近代の5線記譜法では,視覚的便宜をはかって,拍のまとまりごとに縦線が引かれている。これを小節線bar,bar‐lineといい,これによって仕切られた1区画を小節bar,measureという。一つの小節は拍子の1単位に相当し,原則として小節線のすぐ後の拍(第1拍)が強拍(下拍ともいう)にあたる。…

【約数】より

…自然数aが自然数bを割りきるとき,abの約数であるという。たとえば,13は52の約数である。abの約数であるとき,baの倍数である。多項式f,gに対しても,fgを割りきるとき,fgの約数であるという。【杉江 徹】…

【確率】より

…すなわち, P(A)=P(A1)+P(A2)+…… こうした性質をもつ組(Ω,BP)を確率空間と呼び,数学的な議論が展開される場となる。ここでPは解析学で測度といわれているものにほかならないが,P(Ω)=1となる特別な測度である。 例2 二つのさいを投げたとき,目の出方は6×6=36通りある。…

※「測度」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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