精選版 日本国語大辞典 「合鏡」の意味・読み・例文・類語
あわせ‐かがみあはせ‥【合鏡】
- 〘 名詞 〙
- ① 二枚の鏡を合わせ、後ろ姿などを見ること。また、前面の鏡に対し、柄のついた小さな手鏡をいう。共鏡(ともかがみ)。
- 合わせ鏡①〈絵本常盤草〉
- [初出の実例]「ふり上ぐる合せ鏡に踊りの手」(出典:雑俳・三種尺(1793))
- 「一方の手の親指を右の鬢のふくらみの中へ入れながら、合はせ鏡をしたのである」(出典:蓼喰ふ虫(1928‐29)〈谷崎潤一郎〉一〇)
- ② 相手の気に入るように、調子を合わせること。お座なりに言葉の調子を合わせること。おせじ。合袱紗(あわせふくさ)。
- ③ 二枚の鏡に同じ物を映したように、きわめて似ていること。瓜二つ。
- [初出の実例]「口もとめもと夫(おっと)の顔にあわせかがみ」(出典:洒落本・契情買虎之巻(1778)二)