合せ鏡(読み)アワセカガミ

デジタル大辞泉 「合せ鏡」の意味・読み・例文・類語

あわせ‐かがみ〔あはせ‐〕【合(わ)せ鏡】

髪・襟などの後ろ姿を見るために、前に立てた鏡に映るように、後ろからもう1枚の鏡で映して見ること。また、その鏡。共鏡ともかがみ
相手調子を合わせること。おせじ。
「きつい―とは思へども、だまされて咲く室の梅さ」〈洒・四十八手〉

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精選版 日本国語大辞典 「合せ鏡」の意味・読み・例文・類語

あわせ‐かがみあはせ‥【合鏡】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 二枚の鏡を合わせ、後ろ姿などを見ること。また、前面の鏡に対し、柄のついた小さな手鏡をいう。共鏡(ともかがみ)
    1. 合わせ鏡<b>①</b>〈絵本常盤草〉
      合わせ鏡〈絵本常盤草〉
    2. [初出の実例]「ふり上ぐる合せ鏡に踊りの手」(出典:雑俳・三種尺(1793))
    3. 「一方の手の親指を右の鬢のふくらみの中へ入れながら、合はせ鏡をしたのである」(出典:蓼喰ふ虫(1928‐29)〈谷崎潤一郎〉一〇)
  3. 相手の気に入るように、調子を合わせること。お座なりに言葉の調子を合わせること。おせじ。合袱紗(あわせふくさ)
    1. [初出の実例]「是を人そしりて合鏡(アハセカカミ)ともまろめるとも申侍ともさにあらず」(出典洒落本・風流仙婦伝(1780))
    2. 「ムムいいいいとばかりあわせかがみで」(出典:洒落本・辰巳婦言(1798)四つ明の部)
  4. 二枚の鏡に同じ物を映したように、きわめて似ていること。瓜二つ。
    1. [初出の実例]「口もとめもと夫(おっと)の顔にあわせかがみ」(出典:洒落本・契情買虎之巻(1778)二)

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