死者を収容する棺として甕形土器を使用し、その場合2個の甕の口をあわせて使用したものをいう。北九州の弥生(やよい)時代中期には葬棺専用の大型甕が流行した。また一方の甕は小さく明らかに蓋(ふた)としての用途を示している場合もある。地下に水平または斜めに埋納されたが、まれには直立した例もある。人骨の遺存例でみると成人を伸展葬する場合もあるが、多くは一方の甕に屈葬している。乳幼児などは小型の甕や壺(つぼ)を使用して収容された。同形同大の甕の場合は口をあわせて粘土で目貼(めば)りするが、そうでない場合は一方がかぶせられたり、挿入されることになる。縄文時代晩期や中国、朝鮮半島にも同じような葬法がみられる。
[小田富士雄]
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