同和対策法(読み)どうわたいさくほう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「同和対策法」の意味・わかりやすい解説

同和対策法
どうわたいさくほう

被差別部落の劣悪な生活環境や仕事、教育などの立ち後れた状況を改善するための法律の総称。1969年(昭和44)以来同和地区と指定された被差別部落について、同和対策事業特別措置法、地域改善対策特別措置法、地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律(地対財特法)と延長、改正法を含め五度の法律が施行され、対策事業が1997年(平成9)3月まで28年間続けられた。これらの法律によって生活環境などハード面は大幅な改善をみたが、改善事業のし残しがあるため、1997年4月以降もそれまでに着手ずみの残事業について15事業に限って財政上の特別措置を行うこととした。さらに、まだ啓発・教育が必要だとして、1997年3月に人権擁護施策推進法が5年間の時限立法として施行された。同法では、差別意識解消の啓発・教育と人権救済について国の責務を明記しており、同法に基づいて法務省人権擁護推進審議会が設置された(2002年3月、同法の失効により審議会解散)。

[高木正幸]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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