日本歴史地名大系 「名張郷」の解説 名張郷なばりごう 三重県:伊賀国名張郡名張郷「和名抄」高山寺本に「奈波里」、東急本に「奈波利」の訓を付す。「古事記」安寧天皇条に「那波里之稲置」、「日本書紀」天武天皇元年九月一一日条に「名張に宿りたまふ」とみえる。古代名張郡の中枢で「隠駅家(なばりのうまや)」(同書同年六月二四日条)や「名張厨司」(同書朱鳥元年六月二二日条)が設置されたと思われる。平城宮出土木簡に「名張里色夫知□□女」とある。郷域は周知(すち)・夏身(なつみ)両郷に挟まれた天喜四年(一〇五六)二月二三日付散位藤原実遠所領譲状案(東南院文書)にみえる「中村 四至東限山 南限矢川 西限宇川 北限供御川」の地と考えられ、現名張市赤目(あかめ)町の丈六(じようろく)・相楽(さがら)・檀(だん)・柏原(かしわら)・星川(ほしかわ)、中村(なかむら)、瀬古口(せこぐち)、青蓮寺(しようれんじ)辺りと推測される。 名張郷なばりごう 岐阜県:飛騨国荒城郡名張郷「和名抄」所載の郷。訓は付されていないが、同書の伊賀国名張郡名張郷の訓注によりナバリとよむ。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by