名田島村
なたじまむら
[現在地名]山口市大字名田島
椹野川の下流東岸にあり、北は陶村、東は秋穂二島村に接し、対岸は嘉川村である。小郡宰判所属。
応安四年(一三七一)の今川了俊の「道ゆきぶり」に「此方も猶なた島がたとて遠きひがたなり」とみえるが、この干潟を近世開拓してできた村である。現在この地の北方に孤丘があり島とよばれているが、これがすなわち本来の名田島である。「注進案」に「当村は周芳灘のうちにある一箇の島ゆへに灘島と申伝るよし、西に椹野川を帯て周廻凡一里位ある島なり(中略)後に今のごとく一円の御開作となり、いつしか名田島の文字に書なしたる由」とみえる。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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