吸収障害症候群(読み)きゅうしゅうしょうがいしょうこうぐん(その他表記)malabsorption syndrome

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「吸収障害症候群」の意味・わかりやすい解説

吸収障害症候群
きゅうしゅうしょうがいしょうこうぐん
malabsorption syndrome

吸収不全症候群ともいう。小腸の栄養素吸収機能の障害によって慢性の下痢,栄養不良,体重減少などを主徴とする症候群をいう。このほか夜間尿,貧血浮腫,無月経,胃痛,出血傾向などもみられる。原因は非常に多様であるが,以下のものがあげられる。消化不全 (肝・胆道疾患や胃切除後) ,小腸での細菌繁殖,リンパ管閉塞,心臓血管系疾患 (収縮性心膜炎,うっ血性心不全) ,腸粘膜を侵す炎症性または浸潤性疾患 (限局性腸炎,アミロイドーシス,強皮症,リンパ腫,放射線障害,熱帯性スプルー) ,遺伝性異常 (非熱帯性スプルー,乳糖不耐症,シスチン尿症) ,内分泌および代謝性疾患 (糖尿病,上皮小体や副腎皮質の機能不全,甲状腺機能亢進症,ゾリンジャー=エリソン症候群,カルチノイド症候群) など。原因に応じた治療をすることが必要である。

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