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胃痛 イツウ

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

胃痛
いつう

種々の胃疾患に由来する痛みをいう。一種の内臓痛で、内臓神経など自律神経を介して感じられ、管腔(かんくう)臓器の強いけいれん、急激な伸展、壁の炎症、虚血(程度の強い局所貧血)などの刺激で発生する。通常、心窩(しんか)部(上腹部、みぞおち)の中央に感じられることが多い。胃痛を伴う疾患としては、急性胃炎、胃潰瘍(かいよう)、十二指腸潰瘍が多い。一般に、胃疾患にみられる痛みは食事と関連性をもつことが多く、急性胃炎などでは食事の直後にみられる。胃潰瘍では、あまり食事との関係がはっきりしないことが多いが、幽門に近い胃潰瘍や十二指腸潰瘍では、空腹時や夜間など毎日同時刻に痛みが出現することが多い。このような空腹時の痛みは、食事を摂取すると軽減または消失することが特徴である。また、潰瘍では胃痛とともに背部痛を伴うことが多い。そのほか、胃癌(いがん)でも胃痛をおこすことがある。進行胃癌はもちろん、早期胃癌の場合でも、しばしば胃痛が主訴となることもあるので、重要な症状である。一般に、胃痛とともに悪心、嘔吐(おうと)を伴うことが多いが、胃疾患による場合には嘔吐によって痛みが軽快することが多い。また、しばしば急性膵炎(すいえん)、胆石症、急性胆嚢(たんのう)炎、急性虫垂炎(とくに初期)など胃以外の疾患でも胃疾患同様に胃部の痛み、つまり心窩部痛を呈するので、これらの疾患との鑑別を要する。なお、胃以外の疾患では、嘔吐を繰り返しても痛みは軽快しないことが多い。[竹内 正・白鳥敬子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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