内分泌(読み)ナイブンピツ

デジタル大辞泉 「内分泌」の意味・読み・例文・類語

ない‐ぶんぴつ【内分泌】

生体内の分泌腺分泌物を直接に血液などの中へ出すこと。ないぶんぴ。⇔外分泌

ない‐ぶんぴ【内分泌】

ないぶんぴつ(内分泌)

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精選版 日本国語大辞典 「内分泌」の意味・読み・例文・類語

ない‐ぶんぴつ【内分泌】

  1. 〘 名詞 〙 ホルモン生成分泌する器官が、ホルモンを直接血液中に分泌すること。⇔外分泌
    1. [初出の実例]「彼女は、すでにその頃から内分泌のはげしい体質で、男生徒たちが自分のことで騒ぐのを内心では迎へてゐたのである」(出典:大阪の話(1934)〈藤沢桓夫〉二)

ない‐ぶんぴ【内分泌】

  1. 〘 名詞 〙ないぶんぴつ(内分泌)〔新しき用語の泉(1921)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「内分泌」の意味・わかりやすい解説

内分泌
ないぶんぴつ

分泌腺(せん)の細胞が、導管を経ずに直接血液やリンパ液に分泌物質を放出する現象。「ないぶんぴ」ともいう。1859年フランスの生理学者C・ベルナールは、肝静脈肝動脈より血糖値が高いことに着目して、肝臓ブドウ糖を血液中に直接放出する内分泌という概念を提唱した。

 内分泌の語は、現在では主として内分泌腺に関して用いられ、この腺から放出される物質についてはホルモンの語を用いている。近年、神経末端から放出される多くの内分泌物質が発見され、この分泌現象はとくに神経内分泌といわれる。下垂体後葉への神経内分泌物質は、その担体タンパクが染色されるため、神経軸索内を移動するようすが明瞭(めいりょう)に観察されるが、このような内分泌と神経を結び付ける現象が発見された意義は大きい。

高杉 暹]

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百科事典マイペディア 「内分泌」の意味・わかりやすい解説

内分泌【ないぶんぴつ】

外分泌の対。各種の(内分泌腺)がその分泌物(ホルモン)を導管によらず,直接体液(血液)中に分泌すること。
→関連項目脱落症状分泌

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化学辞典 第2版 「内分泌」の解説

内分泌
ナイブンピ
endocrine

細胞の分泌様式の一つで,ホルモン系のように分泌された物質が血液を介して,遠く離れた細胞にはたらきかける場合をいう.血管系は体内で閉じた空間とみなせるので,内側への分泌とみなされる.これに対し,外界と通じた腸管などへの分泌は外分泌(exocrine)といわれる.分泌物が近傍の細胞や分泌細胞自身にはたらきかける場合は,傍分泌(paracrine)およびオートクライン(autocrine)という.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「内分泌」の意味・わかりやすい解説

内分泌
ないぶんぴ
internal secretion

導管をもたない分泌腺が,分泌物を直接,あるいはリンパを介して血液中に出すことをいう。この導管をもたない分泌腺を内分泌腺といい,内分泌腺でつくられて,そこから出される分泌物をホルモンという。ホルモン血流に乗って標的器官に達し,その器官の機能を調節する。

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世界大百科事典(旧版)内の内分泌の言及

【分泌】より

…動物ではふつう,分泌活動を主とする細胞は集合して分泌腺を形成する。消化腺や皮膚腺のように,分泌物を体腔や体外に導く管を備える場合,これを外分泌と呼ぶのに対し,分泌物を直接血液や体液中に放出するのは内分泌である。内分泌される物質はホルモンと総称される。…

※「内分泌」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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