吹雪き(読み)ふぶき

精選版 日本国語大辞典 「吹雪き」の意味・読み・例文・類語

ふぶき【吹雪・雪吹】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「ふぶく(吹雪)」の連用形の名詞化 )
  2. 強い風が物を吹き飛ばすこと。特に、強い風に吹かれて雪が降ること。また、その雪。《 季語・冬 》
    1. [初出の実例]「吹渡す比良のふぶきは寒くともひつぎの御狩せでやまめやは〈源国信〉」(出典:堀河院御時百首和歌(1105‐06頃)冬)
  3. ( 雪吹 ) 薄茶器の一種。蓋甲と身の底が面取りしてある茶入のこと。黒漆塗が多い。身と蓋の境目がわからないので、上も足もとも定めがたい吹雪のようだというところからいう。〔杉木普斎伝書(1690‐92)〕
  4. 文様の名。雪がふぶいている様子を描いたもの。
    1. [初出の実例]「小豆又はお納戸に竪枠、薄鉄の山形に吹雪(フブキ)」(出典風俗画報‐一一二号(1896)流行門)

吹雪きの補助注記

用字について、古本節用集では「雪吹」が一般的で、ほかに「雪風」がある。また、「温故知新書」には「雪風」が、「撮壌集」「運歩色葉集」には「降吹」が出ている。現行の「吹雪」が見られるのは近世の「書言字考節用集‐一」である。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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