呉俊卿(読み)ゴシュンケイ

デジタル大辞泉 「呉俊卿」の意味・読み・例文・類語

ご‐しゅんけい【呉俊卿】

呉昌碩ごしょうせき

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「呉俊卿」の意味・わかりやすい解説

呉俊卿
ごしゅんけい
(1844―1927)

中国、清(しん)代末期の文人浙江(せっこう)省安吉のあまり豊かでない読書人の家に生まれる。初名は俊。字(あざな)は昌碩(しょうせき)、倉石。号は苦鉄、缶廬(ふろ)。1860年(咸豊10)17歳のとき太平天国の乱で母、弟妹、婚約者を失い、5年ののち父親に再会、その年の科挙で秀才に合格したが官界を好まず、以後は金石学、詩書、篆刻(てんこく)に励み、晩年は上海(シャンハイ)に隠棲(いんせい)し、作品を売って生計をたてた。書は石鼓(せっこ)文を学んで独自の篆法を樹立し、その骨法を行草にも画(え)にも貫き、画は濃彩の花卉(かき)を得意とし、篆刻は磊落(らいらく)な風を誇った。その書画篆刻は清末第一の評があり、日本にも愛好者が多く、現代書道に与えた影響はきわめて大なるものがあった。詩集『缶廬集』や、『缶廬印存』などの印譜がある。

[角井 博]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「呉俊卿」の意味・わかりやすい解説

呉俊卿
ごしゅんけい

呉昌碩」のページをご覧ください。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の呉俊卿の言及

【篆刻】より

… 清代後期,各派それぞれがマンネリ化したとき,趙之謙が出て,鄧派・浙派を兼ねて学ぶとともに,篆刻の領域を秦・漢・六朝の諸文字資料にまで広げた。清末の呉俊卿は先秦の石鼓文や金文を習い,封泥の世紀末的腐爛した雅味を加えて新風を創始し,以後の中国だけでなく日本にも強い影響を及ぼしている。その他,黄牧甫,斉白石などが傑出し,それぞれ一派をなした。…

※「呉俊卿」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android