呵する(読み)カスル

デジタル大辞泉 「呵する」の意味・読み・例文・類語

か・する【×呵する】

[動サ変][文]か・す[サ変]
息を強く吹きかける。凍った筆やすずりに息を吹きかけて暖めるところから、「筆硯ひっけんを呵する」などの形で、文章を書く意に用いられる。
「予はけんに―・しに臨んで」〈芥川開化殺人
しかりつける。
「あれは仏を―・し祖を罵るのだね」〈鴎外・独身〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「呵する」の意味・読み・例文・類語

か‐・する【呵】

  1. 〘 他動詞 サ行変 〙
    [ 文語形 ]か・す 〘 他動詞 サ行変 〙
  2. きびしくしかる。叱責(しっせき)する。また、大声を出す。大声でとがめる。
    1. [初出の実例]「一の神有り、〈略〉此の不信の人を呵して云く」(出典:今昔物語集(1120頃か)七)
  3. 息を吹きかけて温める。息を吹きかけて書く。転じて、「筆を呵する」「健脚を呵する」などの形で、勢いに任せて書いたり、歩いたりする意に用いる。
    1. [初出の実例]「筆の凍たを呵してものをかけば」(出典:四河入海(17C前)七)

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