法則の辞典 「和の法則」の解説 和の法則【sum rule (isotopomer)】 同位体異性体(アイソトポマー)の分子振動数に対する法則.分子の基準振動νi に対して4π2c2νi を λi で表したとき,σ=∑λn=4π2c2∑νa2 について比較すると, 2σ(HDO)-σ(H2O)-σ(D2O)=0 あるいは σ(14NH3)+σ(15ND3)-σ(15NH3)-σ(14NH3)=0 の関係が成り立つ.これは同位体置換化合物分子(アイソトポマー)においては,力の定数が相等しいことを意味し,きわめてよく成立することが確かめられている. 和の法則【sum rule (rotational isomer)】 アイソトポマーにおける和の法則と同様に σ=∑λn=4π2c2∑νa2 について比較すると,回転異性体においては σtrans-=σgauche- が成立する. 和の法則【sum rule (rotational energy)】 非対称コマ型分子の回転エネルギーに関する法則.このタイプの分子の回転エネルギーは簡単な式では表せないが,同じ回転量子数 J をもつものだけに限定してその和をとると,分子の慣性モーメントをパラメータとした簡単な式で表現可能である. 和の法則【sum rule (Coriolis' constant)】 分子のコリオリ定数についての法則.対称コマ型分子の縮重振動において,同じ対称性をもつものだけについてコリオリ定数の和をとると,これは分子内ポテンシャルに依存しない量となる. 出典 朝倉書店法則の辞典について 情報