善意銀行(読み)ぜんいぎんこう

改訂新版 世界大百科事典 「善意銀行」の意味・わかりやすい解説

善意銀行 (ぜんいぎんこう)

1962年に徳島県や大分県の社会福祉協議会発案で設けられたもので,社会福祉のための労力金品を預託し,これらを必要とする者へ,これらの労力や預託金品を支給・貸与する組織である。ボランティア・ビューローの一形態といえるが,たんなる金品の寄付を求めるということだけではなく,特技を含む労働を預託するところに特徴があり,〈銀行〉という呼名の新鮮さもあって,広く全国に普及し,一時は善意銀行,奉仕銀行,愛情銀行,福祉協力センターなど種々の名称のもとに,全国で1000ヵ所余の組織があった。最近では,これらの組織の大多数は社会福祉協議会が経営に当たり,市区町村あるいは府県レベルのボランティア・センターが結成されたところでは,これに統合された例も多い。
ボランティア活動
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の善意銀行の言及

【ボランティア活動】より

…一般市民の自由な意志に支えられた社会的な活動,あるいは各種民間団体の自主的な活動が,広い意味でのボランティア活動であるが,より限定的には社会福祉を目的とする事業や活動をさしており,その活動を行う人をボランティアvolunteerといっている。ボランティア活動は,政策主体としての国家の活動よりも,市民・大衆の自発性にもとづく活動を高く評価するボランタリズムの思想に支えられており,個人の自由と独立を尊重する近代社会において出現し発展してきたものにほかならない。…

※「善意銀行」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android