喜阿弥村(読み)きあみむら

日本歴史地名大系 「喜阿弥村」の解説

喜阿弥村
きあみむら

[現在地名]益田市喜阿弥町

喜阿弥川流域と海浜地帯で、東は市原いちはら村、南はなめら村、西は戸田とだ村、北は日本海。地名は鹿猪を防ぐため木を網のように組んだとか、大野広嗣の反乱に際し、大野東人が大船をこの地で建造した故事に由来するという(石見八重葎)。江戸時代の支配の変遷は持石もちいし村と同じ。古高一七六石余、寛永一四年(一六三七)の検地高二六五石余(万手鑑)正保国絵図では木阿弥村とみえ、高一七六石余、高津組六浦の一つ。喜阿弥海岸は東西に長い塩浜をもち、藩の製塩をし、領内の需要を満たした。元文元年(一七三六)には塩浜一ヵ所・塩釜二九釜があった(益田市史)小浜こはま浦と漁場争いが多年にわたり続いたが、弘化三年(一八四六)鰯網・四つ張網など打入れに関する和議が成立した(同書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android