日本歴史地名大系 「石見八重葎」の解説
石見八重葎
いわみやえむぐら
一三巻 石田春律著
成立 文化一四年
原本 金城町石田家
解説 石見国の地理書。文化・文政期の石見全域にわたる地誌として貴重。序が一巻で、残りは安濃・邇摩・邑智・那賀・美濃・鹿足の各郡と名所図会からなっている。序には国名由来・石見各郷名由来・地方諸制度・式内社・村役人などが記され、各郡には一村ごとの由来・石高・社寺・古城・名物・伝記などが記載される。名所図会は二巻からなり、名所を淡彩で写生した絵図に詳細な考証が加えられ、名所を詠じた歌が「万葉集」などから引用して記されている。著者は記述内容について国内の社寺・名士・風流人から聴取したと記す。表紙題字には「
活字本 全巻はないが、「角径石見八重葎邇摩郡下銀山之巻」「八重葎名所図絵二巻」(「石見国名所和歌集成」所収)が原本複写形で刊行されている。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報