噴射ポンプ(読み)ふんしゃポンプ

改訂新版 世界大百科事典 「噴射ポンプ」の意味・わかりやすい解説

噴射ポンプ (ふんしゃポンプ)
injection pump

燃料噴射ポンプともいう。ディーゼルエンジンなどのシリンダー内に燃料を噴射させるポンプ。100atm内外ないし数百atm以上の高圧を得るために,プランジャーポンプが広く採用される。機関駆動のカムによって,燃料噴射時期にプランジャーを急速に作動させて高圧燃料を噴射ノズル部に圧送する,いわゆるジャーク式のものが一般的で,ボッシュ型ポンプはその典型である。大型機関ではシリンダーごとにポンプを配置するが,小型機関では,各シリンダー用のプランジャーをまとめて列状に配し一つのポンプに収めた列型ポンプを用いる。またプランジャーは1個とし,これから燃料を各シリンダーに分配する分配型ポンプも,とくに乗用車用などの小型機関には好んで用いられるようになった。噴射システムとしては,ジャーク式ポンプと噴射ノズルとを噴射管と呼ばれる送油管で連結した型式のものがふつうであるが,とくに高性能を得るため,噴射管を廃し,ポンプとノズルを一体としたユニットインジェクターを採用することもある。このほか,噴射時のみに燃料を動的に急速圧送するのではなく,あらかじめ高い圧力の燃料をためておき,噴射時期に分配弁,ノズルなどを操作するという蓄圧式システムもあるが実用例は少ない。ボッシュ型ポンプ,噴射管,噴射ノズルを組み合わせたシステムが広く受け入れられているのは,その手ごろな性能,価格,簡潔な構造と,決定的な欠点がないことによると考えられる。ガソリンエンジンでも,ディーゼル用に似たシステムでシリンダー内に燃料噴射を行うものがあるが,多くは吸気管もしくは吸気マニホールド内に噴射するもので,数atm以下の加圧ポンプと電子制御噴射弁の組合せが一般的である。

 なお,高速の流体を噴射して,その周囲の気体液体を吸引することにより真空状態を作り出す装置も噴射ポンプと呼ばれる。
真空ポンプ
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百科事典マイペディア 「噴射ポンプ」の意味・わかりやすい解説

噴射ポンプ【ふんしゃポンプ】

インジェクションポンプinjection pump,燃料噴射ポンプとも。ディーゼルエンジンなどのシリンダー内に燃料を噴射させるポンプで,ふつう単動のプランジャーポンプを用い,機関回転数や負荷変動に応じて,噴射量や噴射時期が自動調整される。
→関連項目ポンプ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「噴射ポンプ」の意味・わかりやすい解説

噴射ポンプ
ふんしゃポンプ

「燃料噴射ポンプ」のページをご覧ください。

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