四橛(読み)しけつ

精選版 日本国語大辞典 「四橛」の意味・読み・例文・類語

し‐けつ【四橛】

〘名〙 (「橛」はくいの意) 密教仏具修法壇四隅に立てて結界を表わすもの。長さ約三〇センチメートル。中央に鬼目があり、上下金剛杵(こんごうしょ)の把に似た装飾をつける。銅鋳製が多い。木製はまれにあるが、鉄製はない。金剛橛。四方橛。

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デジタル大辞泉 「四橛」の意味・読み・例文・類語

し‐けつ【四×橛】

《「橛」は、くいの意》密教の仏具。修法壇の四隅に立てて結界を示すもの。

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世界大百科事典(旧版)内の四橛の言及

【密教法具】より

…密教法具は当初,最澄,空海,常暁,円行,円仁,恵運,円珍,宗叡の入唐八家によって請来されたが,おのおのに若干の異同があって整合性を欠く。この時代のものを大別すると金剛杵(こんごうしよ)と金剛鈴(こんごうれい)が主流をなし,異種に独鈷(どつこ)杵の端に宝珠をつけた金錍(こんべい)があり,そのほか輪宝(りんぼう),羯磨(かつま),四橛(しけつ),盤子(ばんし)(金剛盤),閼伽盞(あかさん),護摩(ごま)炉,護摩杓などがあるが,供養具まで完備するには至っていない。やがて,壇上に火舎(かしや)(香炉)を中心に六器(ろつき),花瓶(けびよう),飯食器(おんじきき)などをそろえた一面器,さらに四面器を配するなど,密法法具の整備拡充が進む。…

※「四橛」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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