瑞渓周鳳(読み)ズイケイシュウホウ

デジタル大辞泉 「瑞渓周鳳」の意味・読み・例文・類語

ずいけい‐しゅうほう〔‐シウホウ〕【瑞渓周鳳】

[1392~1473]室町中期の臨済宗の僧。和泉いずみの人。号、臥雲がうん山人。南都華厳を学び、景徳寺等持寺相国寺に歴住。のち、鹿苑院ろくおんいん塔主となった。足利義政信任を受け、外交文書を作成。編著善隣国宝記」、日記「臥雲日件録」など。諡号しごう、興宗明教禅師

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精選版 日本国語大辞典 「瑞渓周鳳」の意味・読み・例文・類語

ずいけい‐しゅうほう‥シウホウ【瑞渓周鳳】

  1. 室町時代中期の臨済宗の僧。号は臥雲山人など。堺の人。足利義教・義政の尊信を得て景徳寺・相国寺などに住し、鹿苑院に移って僧録司となる。幕府の外交に参与し、外交資料集の「善隣国宝記」を編集し、詩文集「臥雲稿」、日記「臥雲日件録」などを著す。明徳二~文明五年(一三九一‐一四七三

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「瑞渓周鳳」の意味・わかりやすい解説

瑞渓周鳳
ずいけいしゅうほう
(1391―1473)

室町中期の臨済(りんざい)宗の僧。代表的五山文学僧。臥雲山人(がうんさんじん)、刻楮子(こくちょし)などと称した。和泉(いずみ)(大阪府)の堺(さかい)の人。相国(しょうこく)寺の無求周伸(むきゅうしゅうしん)に参じ、その法を嗣(つ)いだ。無求の寂後、厳中周噩(げんちゅうしゅうがく)(1359―1428)、天章澄彧(てんしょうちょういく)(1379―?)、惟肖得巌(いしょうとくがん)らに師事し、五山文学を学ぶ一方、等持(とうじ)寺、相国寺に住し、上杉禅秀(ぜんしゅう)(氏憲(うじのり))の乱(1416~1417)の調停や、三たび僧録司(そうろくし)に任じて禅宗界を統率するなど、政治的才腕を振るった。とくに義堂周信(ぎどうしゅうしん)、絶海中津(ぜっかいちゅうしん)以来の五山学芸を集大成した功績は大きい。文明(ぶんめい)5年6月24日、83歳で示寂。興宗明教(こうしゅうめいきょう)禅師と勅諡(ちょくし)された。抄物(しょうもの)『刻楮』200巻のほか、日録『臥雲日件録(がうんにっけんろく)』、外交文書の作例集『善隣国宝記(ぜんりんこくほうき)』、詩文集『臥雲稿(がうんこう)』『竹郷集(ちくごうしゅう)』など多数。門下からは横川(おうせん)、綿谷(めんこく)(1405―1472)、桃源(とうげん)(1430―1489)などの文学僧が輩出した。

[藤岡大拙 2017年8月21日]

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改訂新版 世界大百科事典 「瑞渓周鳳」の意味・わかりやすい解説

瑞渓周鳳 (ずいけいしゅうほう)
生没年:1391-1473(元中8・明徳2-文明5)

室町中期の臨済宗の僧。臥雲山人,羊僧,竹郷子,刻楮子等の号がある。諡号(しごう)は興宗明教禅師。和泉国堺に生まれ,1405年(応永12)に相国寺の無求周伸により受戒し,天竜寺に属した。その後,景徳寺・等持寺の住持を歴任し,38年(永享10)には関東公方足利持氏と上杉憲実の対立を将軍足利義教の使として調停した。41年(嘉吉1),相国寺に移り,46-47年,56-60年,67-73年の3度にわたり僧録司(鹿苑院主)を務めた。五山僧として著名な彼の素養は惟肖得巌,厳中周噩(しゆうがく)を師として養われ,その素養をもって64年(寛正5)には〈遣唐表〉を作成するなど外交僧としても活躍した。また,《善隣国宝記》にみられる日本の古典の知識は明法家清原業忠に負うところが多い。著書には,紀行文に《入東記》《温泉行記》,漢詩文に関しては《脞(ざ)説》《竹郷集》《臥雲稿》,日記には《臥雲(がうん)日件録》を惟高妙安が抜書した《臥雲日件録抜尤(ばつゆう)》がある。
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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「瑞渓周鳳」の解説

瑞渓周鳳 ずいけい-しゅうほう

1392*-1473 室町時代の僧。
明徳2=元中8年12月8日生まれ。臨済(りんざい)宗。無求周伸の法をつぐ。京都相国寺(しょうこくじ)住持となる。将軍足利義教(よしのり)・義政の信任をえて3度鹿苑院主,僧録をつとめる。明(みん)(中国)への国書の起草もおこなった。文明5年5月8日死去。83歳。和泉(いずみ)(大阪府)出身。俗姓は伴。諡号(しごう)は興宗明教禅師。別号に臥雲(がうん)山人。著作に外交文書集「善隣国宝記」など。

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367日誕生日大事典 「瑞渓周鳳」の解説

瑞渓周鳳 (ずいけいしゅうほう)

生年月日:1391年12月8日
室町時代の臨済宗の僧
1473年没

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世界大百科事典(旧版)内の瑞渓周鳳の言及

【臥雲日件録】より

…臨済宗相国寺の瑞渓(ずいけい)周鳳(臥雲と号す)の日記。1562年(永禄5)に同寺の惟高妙安によって抜書きされたもの1冊が現存する。…

【善隣国宝記】より

…室町時代の外交書。瑞渓周鳳(ずいけいしゆうほう)著。3巻。…

※「瑞渓周鳳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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