朝日日本歴史人物事典 「大岳周崇」の解説
大岳周崇
生年:貞和1/興国6(1345)
室町時代の臨済宗の僧。阿波国(徳島県)に生まれ,一宮氏の出身。同国補陀寺黙翁妙誡のもとに入門し,黙翁が京都嵯峨の臨川寺に移ったのに従い上洛する。等持寺,鎌倉の円覚寺で学び,義堂周信,夢巌祖応の講席に連なった。等持寺の住持を経て,応永9(1402)年には相国寺の住持となり,さらに絶海中津の後任で鹿苑院に入り10年余僧録を勤めた。同17年には天竜寺第46世となり,足利義持の帰依が厚く,当時相国寺の下におかれていた天竜寺の位次をもとに戻し,五山の第一とした。また,旱魃に際し,神泉苑で祈雨をおこなった。著書に蘇東坡の詩の講釈である『翰苑遺芳』がある。
(原田正俊)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報