回回砲(読み)かいかいほう(英語表記)Huí huí pào

改訂新版 世界大百科事典 「回回砲」の意味・わかりやすい解説

回回砲 (かいかいほう)
Huí huí pào

中国,元朝時代,ペルシア人の技術者によって作られた大型の投石機。当時イスラム文化圏では,投石機の製造技術は世界最高の水準にあり,それを知った世祖フビライハーンイル・ハーン国より,アラー・アッディーンイスマーイールなどの著名な技術者を招き製造にあたらせた。数百kgもの石や爆発物をはねとばすこの新兵器は,とくに1274年(咸淳10)の南宋襄陽樊城に対する攻城戦で,絶大な威力を発揮した。
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山川 世界史小辞典 改訂新版 「回回砲」の解説

回回砲(かいかいほう)

元の世祖クビライのときペルシア人アラー・ウッディーン・ハルジーやイスマーイールが製作したといわれる投石機。モンゴル軍が襄陽(じょうよう)攻略のときに使ったというので,襄陽砲ともいわれる。

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旺文社世界史事典 三訂版 「回回砲」の解説

回回砲
かいかいほう

元のフビライに仕えたペルシア人の作成した投石機
南宋の襄陽 (じようよう) 攻略に苦戦したフビライはペルシア人アラー=ウッディーンを雇い,1271年その威力によって襄陽を攻略した。彼はその功により武人として重用された。

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