中国中部、湖北(こほく)省北西部の地級市。漢水(かんすい)中流に沿い唐白河(とうはくが)との合流点に位置する。襄城(じょうじょう)、樊城(はんじょう)など3市轄区、南漳(なんしょう)、谷城(こくじょう)、保康(ほこう)の3県を管轄し、老河口(ろうかこう)、棗陽(そうよう)、宜城(ぎじょう)の3県級市の管轄代行を行う(2016年時点)。人口595万5000(2014)。1950年、北岸の樊城鎮と南岸の襄陽鎮を合併して市が設けられたことから襄樊(じょうはん)市となり、2010年襄陽市と改められた。
襄陽の名は漢代に県が設けられて以来のものである。漢水に沿って、陝西(せんせい)、河南(かなん)方面から長江(ちょうこう)(揚子江(ようすこう))流域へ下る際の交通、軍事上の要衝であったため、後漢(ごかん)代に襄陽郡の治所が置かれてから、歴代、州や府の治所が設けられてきた。一方、樊城はこのような政治・軍事都市襄陽の対岸にあって、商業都市として発展した。現在も、本市は同方面の交通、経済の中心地である。漢丹線(武漢(ぶかん)―丹江口(たんこうこう))、焦柳線(焦作(しょうさく)―柳州(りゅうしゅう))、襄渝(じょうゆ)線の3鉄道が市内で交わり、近郊に襄陽劉集(りゅうしゅう)空港がある。また機械、紡績、化学、食品加工、電子などの工業が発達している。燐(りん)鉱石、金紅石などの鉱物資源が豊富である。
市の西方の隆中(りゅうちゅう)山の東麓(とうろく)は、世に出る前の諸葛孔明(しょかつこうめい)(諸葛亮(しょかつりょう))が住んだ地として知られる。また野生ロウバイ保護区がある。
[河野通博・編集部 2017年8月21日]
韓国(大韓民国)、江原道(こうげんどう/カンウォンド)襄陽郡(面積628.68平方キロメートル、人口2万9079、2000)にある日本海沿岸に位置する邑(ゆう)(町)。人口1万2726(2000)。郡庁所在地。南大川流域の平野で、米、野菜、果物などが栽培される。南大川のアユはこの地域の特産物である。東海高速道路が南北へ走り、寒渓嶺(かんけいれい)を通じて嶺西地方と連絡される。西部には国内第一の襄陽鉄鉱山があり、造山里と洛山(らくさん)に海水浴場がある。自然観光資源の開発に乗り出し、観光収入が増加しつつある。
[邢 基 柱]
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…褒河,丹江,唐河,白河,堵河などの支流がある。古くから中原と江漢平原を結ぶ重要な交通路であったが,水勢が激しいため,沿岸には襄陽の樊城など軍事的に要害の地がある。樊城は漢の建安年間(196‐219)に関羽が漢水の急流を利用して立てこもる于禁を撃破した古戦場として有名である。…
…中国,明代の中期に湖北省北西部の山岳地帯を中心に展開した農民反乱。荆襄とはこの地域の中心都市荆州・襄陽の略称。明代も中期になると各方面の矛盾が顕在化してきた。…
…人口58万(1994)。襄陽と樊城が合併してできた。漢水が白河を合わせて,東南に流れを変える屈曲点にあり,襄陽は漢水の南岸に,樊城はその対岸に位置する。…
※「襄陽」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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