国民同盟会(読み)こくみんどうめいかい

改訂新版 世界大百科事典 「国民同盟会」の意味・わかりやすい解説

国民同盟会 (こくみんどうめいかい)

日露戦争前,貴族院議長近衛篤麿らが対露強硬の世論を巻き起こすため結成した国家主義団体。日清戦争後,日本の中国への勢力拡張をはかるため東亜同文会を組織していた近衛篤麿は,義和団鎮圧後も満州占領を続けるロシアに対抗するため,頭山満,佐々友房犬養毅,長谷場純孝,柴四朗らと相談し,〈支那保全,朝鮮擁護〉を目的とする国民運動の展開を企て,1900年9月24日上野精養軒で国民同盟会を結成した。政友会はこの動きに反対したが憲政本党,帝国党は賛成し,新聞の多くも国民同盟会の主張に賛同し,三国干渉後ロシアへの敵意を募らせていた世論をさらにあおることになった。国民同盟会は,満州をめぐる露清密約の報が伝わると大会を開き,ロシアへの武力行使決心と覚悟を伊藤博文内閣に促した。02年4月露清間に満州還付条約が調印されると,同月27日,国民同盟会は一応の目的は果たしたとして解散したが,ロシアの撤兵不履行がはっきりするとふたたび03年8月9日,対露同志会をつくった。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語をあわせて調べる

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android