日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
国際半導体製造装置材料協会
こくさいはんどうたいせいぞうそうちざいりょうきょうかい
Semiconductor Equipment and Materials International
半導体技術に関連した製造装置・材料・サービスを提供する企業の国際的な業界団体。略称SEMI(セミ)。1970年にアメリカのカリフォルニア州で設立。当初は北米地域の半導体関連企業の工業会であったが、日本や台湾など、アジアで半導体産業が台頭してきたことを踏まえ、1987年に半導体製造装置材料協会(Semiconductor Equipment and Materials Institute)から現名称に変更して、国際組織に衣替えした。本部をカリフォルニア州サン・ホゼに置き、東京、ワシントンDC、台湾の新竹(しんちく)、ソウル、上海(シャンハイ)、シンガポール、ブリュッセル、ベルリン、モスクワなどに事務所をもつ。半導体製造装置だけでなく、薄型ディスプレー(FPD)、発光ダイオード(LED)、MEMS(メムス)、太陽光発電、ナノテクノロジーなどに関連した製造装置、材料、サービスを提供する企業も会員となっている。世界における半導体製造装置の市場規模など、半導体関連の統計を調査・集計して、定期的に発表している。とくに、北アメリカに本社を置く半導体製造装置メーカーの受注額を出荷額で割ったBBレシオ(3か月平均値)は、半導体業界の景況感や半導体市況の先行きを示す指標として注目度が高い。1973年にSEMI標準化委員会がシリコンウエハーの直径を決めて以降、半導体関連規格の国際的な標準化についても主導的役割を果たしている。1971年に第1回の半導体関連展示会「SEMICONショー」を開催するなど、世界各地で毎年、見本市、国際会議、セミナー、交流会を開き、半導体産業の振興や啓蒙(けいもう)のための活動を展開している。
[矢野 武 2016年3月18日]