ナノテクノロジー(読み)なのてくのろじー

精選版 日本国語大辞典 「ナノテクノロジー」の意味・読み・例文・類語

ナノ‐テクノロジー

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] nanotechnology ) 一〇億分の一メートルというような極細な単位で加工・計測を行なう超精密技術。半導体や機械加工、生物や医学分野への応用を目指している。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ナノテクノロジー」の意味・わかりやすい解説

ナノテクノロジー
なのてくのろじー

ナノメートルnm)、つまり10億分の1メートルの寸法単位で加工・製作するための技術。これ以下の原子寸法でのアトムテクノロジーと区別することも多い。半導体メモリーで、1センチメートル角に数十億個のセルを集積するのが現在のサブミクロン(1マイクロメートル~100ナノメートル)技術の限界とされているため、1~100ナノメートルの加工寸法によるナノテクノロジーは新しい技術領域を開拓するものと期待されている。すでに、ゲート幅40ナノメートルのMOSFET(metal-oxide-semiconductor field effect transistor、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)が試作されているが、ソース・ドレーンの拡散層は10ナノメートルの極浅で、酸化膜の厚さは1.5ナノメートルと薄い。青・緑発光のレーザーにはナノテクノロジーによる量子井戸が用いられる。

 サブミクロン技術では、光が加工工程での主役であるが、ナノテクノロジーになると電子ビームとか集束イオンビームが、1ナノメートル以下のアトムテクノロジーでは走査プローブ顕微鏡が主役となる。単にマイクロマシンの延長線上でなく、まったく新しい原理、たとえば生物の筋肉の伸縮や鞭毛(べんもう)モーターなどの運動機構・分子構造を利用するなど、ナノバイオロジーの方向も模索されている。

[岩田倫典]

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化学辞典 第2版 「ナノテクノロジー」の解説

ナノテクノロジー
ナノテクノロジー
nanotechnology

ナノサイズ(10-9 m)に由来する新機能をもった物質分子デバイスを,原子や分子の段階から設計・製造し,工業的に利用することをめざす研究分野.ナノサイエンスもほぼ同義語として使われる.近年発展がいちじるしく,ナノカーボン(カーボンナノチューブフラーレンなど),マイクロチップ,医療用マイクロマシン技術,ナノ計測・加工装置の開発,ナノ触媒を用いる高性能燃料電池の開発など,材料,情報通信,ライフサイエンス,環境など広い分野のメゾスコピック領域(1 μm から~1 nm の領域)の研究の根幹をなす科学技術になってきており,近未来社会における産業基盤技術と予想されている.

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百科事典マイペディア 「ナノテクノロジー」の意味・わかりやすい解説

ナノテクノロジー

ナノメートル(nm。10億分の1m)の精度を扱う先端技術の総称。1nmは原子数個分に相当し,原子・分子を単位とするほどの精度で半導体など材料表面の計測や加工,物質操作を行うことを意味する。走査型トンネル顕微鏡(STM)や原子間力顕微鏡(AFM)を用いた材料表面の原子レベルでの計測や加工操作,原子層エピタキシーなどの技術を用いた超格子素子の作成,レーザーや各種イオンビームを用いた計測や表面加工,放射光(SOR)を光源とするX線リソグラフィーなど,さまざまな研究開発が試みられている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ナノテクノロジー」の意味・わかりやすい解説

ナノテクノロジー
nanotechnology

ナノは 10億分の1を意味する言葉で,ナノテクノロジーは,極小な物質単位を相手にした,機械的な技術の総称。マイクロ・マシンなどの分野,および分子レベルでのモータや,回転系のマシンなども考えられている。レーザー,走査型トンネル顕微鏡 (STM) ,原子間力顕微鏡 (AFM) などの精密機器が,観測と操作の両方に活用され始めており,今後の展開が期待されている。

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産学連携キーワード辞典 「ナノテクノロジー」の解説

ナノテクノロジー

「ナノテクノロジー」とは、ナノメートル(nm:1メートルの10億分の1)で定義できる物質を創製、自在に制御し、またそれらの物質の性質や機能を組み合わせ、素材、IT、バイオテクノロジーなどの産業に活かす技術ことである。現在、「ナノテクノロジー」の研究は21世紀の最重要技術として位置づけられ、各関連機関との連携が不可欠な学際的な研究として注目を浴びている。

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