見本市(読み)ミホンイチ(その他表記)trade fair

翻訳|trade fair

デジタル大辞泉 「見本市」の意味・読み・例文・類語

みほん‐いち【見本市】

商品実物見本展示陳列し、紹介宣伝しながら取引をする臨時市場

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精選版 日本国語大辞典 「見本市」の意味・読み・例文・類語

みほん‐いち【見本市】

  1. 〘 名詞 〙 宣伝や紹介のために、商品の見本を陳列して取引を行なう臨時の市場。〔現代新語辞典(1931)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「見本市」の意味・わかりやすい解説

見本市 (みほんいち)
trade fair

見本市とは現品を見本として展示し,これによって商談を調え,実物の受渡しを後日に期する市場のことである。期間は1週間から数週間程度が多い。新しく発明されたり,改良されたりした機械類,建築材料,農具などで,当然見本を見なくては商談が成立しにくいというようなものが出品されるケースが多い。見本市の起源は遠く12世紀の半ばにさかのぼるといわれているが,その発達は比較的新しく,主として第1次大戦以後のことである。とくにドイツオランダスイス,フランスの主要都市には定期的に設置され,隣接諸国間の国際売買取引に利用されて発達をとげたが,それら見本市は,しだいに海を隔てたその他の諸国の製造業者,貿易業者にも利用されるにいたった。

 現在,全世界で年間6000をはるかに超える多種多様な見本市が開催されており,長い歴史を有する見本市のほかに,時代のニーズに応じた新しい見本市がつぎつぎと企画されるなど,年々その数は増加傾向にある。見本市の形態としては,出品対象品目によって,雑貨品から重機械まですべてを含む〈一般見本市〉,出品物が限定され,入場者もその分野の業者または専門家に限られる〈専門見本市〉,出品者,入場者の対象によって,国内を対象とした〈国内見本市〉,外国からの参加ができるよう企画された〈国際見本市〉に分類される。このほか,特定の国において,特定の目的,あるいは特定の人々を対象に,1国,1企業,あるいは団体が独自に開催する〈単独見本市〉がある。

 日本では1953年第1回国際見本市が大阪で開かれ,その後毎年1回東京と大阪で交互に開催されている。現在,日本で開催されている見本市の形態,内容,対象者はさまざまであるが,消費財から生産財まで幅広い分野の出品を対象とした大規模な総合見本市は東京,大阪の国際見本市のみで,他はほとんどが出品対象分野の限定された専門見本市に類するものが多い。その数は年間500をはるかに超え,さらに増加傾向にある。見本市の開催規模は,大型重量機械など生産財の見本市は当然のことながら展示面積が大きく,重量物の展示に適した東京国際見本市会場(中央区晴海),大阪国際見本市港会場(港区田中),名古屋国際展示場(港区金城ふ頭)などの大型会場が使用されている。家庭用品,雑貨,繊維製品などの小型一般消費財の見本市は総展示面積も小さく,東京流通センター,大阪マーチャンダイズ・マート,あるいは一般大衆の来場しやすいホテル,デパートなど都心部の小型展示場が利用されている。近年,モーター・ショー,ビジネス・ショー,エレクトロニクス・ショーなど出品規模が大きい見本市も増え,これらは大型展示場を利用している。また,欧米の傾向と同様,日本の見本市でも会議,セミナー,シンポジウムなどを並催するケースが多くなっている。
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百科事典マイペディア 「見本市」の意味・わかりやすい解説

見本市【みほんいち】

各種の見本商品を陳列,展観し,商談を整える臨時の市場。中世ヨーロッパの年市(ねんいち)などがその起源とされるが,主として第1次大戦後に発達し,ヨーロッパ主要都市に定期的に開設。ライプチヒのメッセなどの国際見本市もできた。日本では1953年以降毎年国際見本市を開催。日本産業巡航見本市船もある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「見本市」の意味・わかりやすい解説

見本市
みほんいち
trade fair

商品の現物を見本として展示し、それを参考に取引をする期間市場。売り手(出品者)と買い手の範囲により、国際的なものから地域的なものまで、また展示商品の範囲により、総合的なものから特定専門分野のものまで、開催の時期により、定期的なものと随時のものとなど、さまざまな種類がある。見本は特別製の商品ではなく、通常販売されるものをそのまま用い、即売されることもある。

[森本三男]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「見本市」の意味・わかりやすい解説

見本市
みほんいち
trade fair

多数の商品見本を陳列して,その宣伝,紹介,販売促進をはかるために一定期間を限って設けられる市のこと。開催にあたっては,政府,公共団体,あるいは各産業界を代表する機関などが中心となって,各企業にその参加を要請する形式をとるのが通例である。また,企業は,会場誘致のための PR,効果的な展示,プレゼンテーションの展開,相談コーナーの設置などに万全を期する必要がある。毎年,東京と大阪とで交互に開かれる国際見本市や晴海で行われる自動車ショーは代表的な例。 1980年代以降,コンベンション産業としての成立もみられ,地域経済の活性化のための方策としても注目されている。

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