国際政治思想(読み)こくさいせいじしそう(その他表記)international political thought

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「国際政治思想」の意味・わかりやすい解説

国際政治思想
こくさいせいじしそう
international political thought

国際政治の諸問題に対する根本的で体系的な考え。諸問題には戦争,貧困あるいは恐怖などの原因,支配と服従様相,国際社会の本質,国際道徳の役割,平和達成の方途,未来社会の構想などがあげられる。近代西欧国際政治体系が成立したとされる 17世紀後半以降では,通常,以下の3つの伝統がおもな潮流として知られており,それぞれホッブズ,カントグロティウスによって代表される。 (1) 国際政治を無秩序な国際社会において展開される国家間のパワーと利益をめぐる闘争とみなす現実主義,(2) 逆に,国際政治を人類共同体実現のための活動の一つとしてとらえる普遍主義あるいは理想主義,(3) 両者中間にあって国際政治の展開のなかに国家間の共存協調の可能性実現を求める多元的な国際主義。さらに,現在の国際政治思想を確認するためにはこれまでのヨーロッパ中心傾向にかわって,ひろく全世界的な視点の導入が必要であり,第4の潮流として,(4) 資本主義世界体制の構造的・階級的な枠組みのなかで国際政治を被抑圧者の解放の過程とみなすマルクス主義がある。今日,(1) に新現実主義,(2) にグローバル・ヒューマニズムが属し,(3) と (4) にそれぞれ相互依存論とその発展,および従属論世界システム論を導いている基本的な思想あるいは理論的枠組みを見出すことができる。

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